日本版GPSへ準備着々=「みちびき」に商機-産業界

時事通信社

10月12日(木)18時45分

内閣府SIP次世代農林水産業創造技術の実験で自動走行する測位衛星「みちびき」対応のトラクター(マゼランシステムズジャパン提供)
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内閣府SIP次世代農林水産業創造技術の実験で自動走行する測位衛星「みちびき」対応のトラクター(マゼランシステムズジャパン提供)
 日本版GPS(全地球測位システム)の実現を目指した政府の測位衛星「みちびき」4号機の打ち上げが成功し、来年4月からの測位データの本格提供に向けた体制が整った。みちびきが発する信号でセンチ単位の精密な測位が可能となり、これまでの米国のGPSだけに頼る場合に比べ、車の自動運転などで精度が格段に高まる。産業界はこれを商機と捉え、活用へ準備を進めている。

 スマートフォンなどの位置情報サービスでは現在、米GPSが使われているが、ビルの谷間や山間部といった「死角」で誤差が大きくなることがある。みちびきは日本のほぼ真上(準天頂)を飛ぶ時間が長く、米GPSと連携し、信号を補完することで位置情報の精度が高まる。専用受信機を使えば、数センチの誤差で位置を確認できる。

 センチ単位の測位は、政府が2020年度の実用化を目指す無人運転バスなど自動運転の実現に重要とされる。三菱電機はみちびきの信号で精密に測位する機器を備えた自動車を山陽道で走らせ、濃霧でも位置を正しく認識できるかどうかの実験を始めた。ソフトバンクはGPS信号を受信するICチップを自動運転などをにらんで開発しており、「みちびきへの対応も選択肢」(ITサービス開発本部)と話す。

 みちびき活用への課題は、100万円を超える専用受信システムの低価格化だ。9月に北海道大学が内閣府の「次世代農林水産業創造技術」の実証実験として、みちびきに対応した自動運転トラクターを走行させた。6月に自動運転トラクターの試験販売を始めたクボタも「安価な受信機が普及するかどうかが成否の鍵を握る」と指摘する。

 北大の実証実験に受信機を提供したマゼランシステムズジャパン(兵庫県尼崎市)は「将来的には1万円以下の受信チップの開発を目指す」(担当者)と話し、システムの低価格化を図る。

 【時事通信社】

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