自民、改憲加速へ「安倍色」布陣=公明・野党は警戒

時事通信社

10月11日(木)20時07分

 自民党が安倍晋三首相の宿願とする憲法改正の実現に向けた態勢整備を進めている。党憲法改正推進本部や衆参両院憲法審査会などの要路に首相側近や保守派議員、国対族を配置。「安倍色」の濃厚な布陣で改憲論議の加速を狙う。ただ、公明党や野党は警戒感を募らせており、先行きは見通せない。

 自民党は役員人事で、改憲推進本部長に下村博文氏、総務会長には加藤勝信氏を充てた。改憲案は最終的に推進本部で取りまとめられ、総務会に諮られる見通し。下村、加藤両氏とも安倍政権で内閣官房副長官や閣僚を歴任した側近だ。

 さらに衆院憲法審では、野党との日程調整に当たる筆頭幹事に首相と思想信条が近い新藤義孝氏を起用する方向。参院の幹事には、強気な国会運営も辞さない石井準一筆頭副幹事長を新たに充てる方針だ。

 首相は先の通常国会で議論促進を狙ったが、一連の政権不祥事で与野党対立が激化し進まなかった。24日召集の臨時国会では衆参憲法審に党改憲案を提示する考えで、自らの意向を忠実に反映できる態勢で臨むことにした。

 だが、野党の協力を得るのは簡単ではない。国民民主党の大塚耕平参院議員会長は11日、記者団に「政党が独自案を提出するのではなく、審査会で練り上げるのが筋だ」と指摘。共産党の志位和夫委員長は自民党の新体制について「憲法改定を力づくでやろうという布陣だ」と反発した。

 野党側は改憲論議よりも国民投票期間中のCM規制など国民投票法の改正が先決との立場。立憲民主党の枝野幸男代表は「CM規制だけで来年の夏までかかる」との見通しを示す。議論を急ぐ自民党が数の力で強引な国会運営に踏み切れば、対立が深まるのは必至だ。

 公明党も改憲から距離を置く姿勢を鮮明にしている。山口那津男代表は会見で、自民党の事前協議には応じない考えを改めて強調。自民党の人事についても「ふさわしいメンバーを選んだのだろう。今後の対応を見守りたい」と素っ気なかった。

 【時事通信社】

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