【現場から、】新しい時代に、3Dスキャンで文化財を守れ

JNN/TBS

9月12日(木)16時19分

 シリーズ「現場から、新しい時代に」今回は、3Dのデータを使った新たな取り組みです。地震などの自然災害で文化財が被害に遭い、その後、復元が難しいケースが相次いでいます。この問題を解決しようと、熊本地震の被災者が立ち上がりました。

 世界文化遺産である京都・醍醐寺の土塀を計測した3Dデータです。壁の色味や質感まで分かり、クリックすれば寸法も出てきます。

 「誤差は1ミリ」(西村和也さん)

 定点計測ができる3Dスキャナーで、土塀の71か所を計り、データを組み合わせました。この出来栄えに・・・

 「再現性の精度の高さが衝撃だった。醍醐寺もその技術を取り入れて、文化財を後世に残していきたい」(醍醐寺 川南達司さん)

 データを手がけたのは、熊本に住む西村和也さん。3年前の熊本地震では、自宅が全壊。加えて地元に伝わる多くの文化財が、倒壊したまま再建できなかったことに衝撃を受けたといいます。

 「江戸時代に建てられたものは図面がない。そういうところが(復旧の)ネックになっているのは熊本地震で知った」(西村和也さん)

 それまで、橋などの構造物調査の仕事をしていた西村さんは、自分が持つ3D計測の技術を活用すれば、設計図代わりのデータを残せるのではないかと思いつきました。試行錯誤を重ねて2年。西村さんの活動の場は、多くの世界的文化財がある京都に広がりつつあります。

 「(文化財が多い)京都で通用するものじゃないとダメ。守らなきゃいけないものがいっぱい、伝統もある」(西村和也さん)

 この日は、京都の別の寺で運慶が作ったとされる仏像を3D化します。この装置を使えば、文化財に触れることなく計測ができます。

 「動かせないものを計測できる。誤差が50ミクロン(20分の1ミリ)」(西村和也さん)

 「写真は平面ですが、3Dだと表も裏も横も拝める」(金戒光明寺 橋本周現さん)

 作業時間は、およそ30分。1秒間に2万点のデータを集めることができ、リアルタイムで画像を見ることもできます。

 「こんな短時間で色も凹凸も出ていたから」(金戒光明寺 橋本周現さん)

 西村さんの活動の場は徐々に広がり、以前、土塀を計測した醍醐寺からは五重塔や金剛力士像なども計測してほしいと言われています。

 「先祖が伝えたものをどう次の世代に伝えるか。そのために、この技術が有効」(西村和也さん)

 熊本地震ではできなかった事前のデータ化を文化財復元への手がかりに。西村さんの地道な活動は続きます。(12日11:44) JNN/TBS

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