増える「粉飾倒産」=低収益で甘い銀行審査

時事通信社

11月16日(土)18時26分

 粉飾決算で財務内容をごまかしていた中小企業の倒産がじわりと増えている。日銀の超低金利政策の影響で収益の低迷が続く中、甘い審査でこうした取引先に資金を貸し出し、痛手を被る金融機関も目立つ。

 「各金融機関、顔を合わせれば(融資先の)粉飾という言葉が出てくる」。西日本シティ銀行と長崎銀行を傘下に置く西日本フィナンシャルホールディングスの谷川浩道社長は6日の記者会見でこう嘆いた。

 信用調査会社の東京商工リサーチによると、2019年1~10月の企業倒産件数のうち、粉飾決算を理由とする倒産は16件。前年同期の2倍に増えた。「経営不振で長らく粉飾を続け、隠し切れなくなった企業が多い」(担当者)という。

 横浜銀行などを抱えるコンコルディア・フィナンシャルグループの川村健一社長は「結構いい調子に見える会社が実は粉飾で、倒産している」と指摘する。多くの銀行が警戒感を強め、倒産に備えた引当金の積み増しに動いている。

 粉飾が増えた理由はさまざまだ。景気の影響より経営者の順法意識など「個別の話」(全国地方銀行協会の笹島律夫会長)との声が多い。ただ、プロである銀行が見抜けなかったのは、低金利と地元の融資先減少に苦しむ地方銀行などが「地の利がない地域で融資した」(笹島氏)事例が増えたことも一因のようだ。

 金融当局筋は「都道府県境を越えた融資の審査が緩くなっている。危ない融資先が(他地域から来た)新参者に押し付けられている」と不安視する。粉飾倒産の「地雷」を踏む銀行が一段と増える恐れもありそうだ。

 【時事通信社】

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