【現場から、災害列島日本】気象庁 組織を再編 防災対応強化へ

JNN/TBS

3月27日(金)14時02分

災害列島日本です。激甚化する大雨などへの防災対応を強化するため、気象庁は来年度(2020年度)にかつてない規模で組織の再編を行う予定ですが、その陰で、長い歴史を持つ「看板」部署が、ひっそりと姿を消そうとしています。

画面に映る男性は、気象庁の予報官。天気図を作っています。タバコを咥えたままで。今から40年以上前の、予報部の光景です。

「7都県に大雨特別警報を発表しました」(気象庁緊急記者会見 2019年10月)

予報部は、天気予報や台風の進路予想などの業務を担ってきた、気象庁を代表する部署です。その予報部の名前が、もうすぐ無くなります。

気象庁は2020年度、大がかりな組織再編を行い、現在の5つある部を1つ減らしてスリム化します。それに伴い、新たに設置される2つの部に予報部など3つの部が統合される結果、「廃止」となる予定です。

予報部が設置されたのは、気象庁の前身、中央気象台時代の1944年。気象庁よりも長い76年の歴史に、今年、終止符が打たれるのです。

「えー、何で?本当?・・・みたいな、そんな感じですよね」(森田正光 気象予報士)

お天気キャスターの森田さんは、予報部がなくなると聞いて衝撃を受けた一人です。

「若い頃、電話の177の天気予報、あの吹き込みを担当していた」(森田正光 気象予報士)
「気象庁予報部発表の3月26日午前11時現在の気象情報をお知らせします」(電話アナウンス)
「『高気圧が大陸から張り出し、冬型の気圧配置になっています』。そういう感じでやっていた。それと、いろんな資料もそうなんですけれど、『気象庁予報部』と名前が書いてあって、それで安心するという部分もあったので、(予報部がなくなることに)一抹の寂しさを感じる」(森田正光 気象予報士)
「今回の組織再編に伴って、もう一つ、廃止される予定の注目される部署があります。『地震予知情報課』です」(記者)

地震予知情報課は、前身の地震予知情報室が1970年代後半に設置されて以来、3年前まで40年近く、「事前予知」を前提とする東海地震の監視業務を担ってきました。この課がなくなることは、気象庁が「予知」の看板をついに下ろすことを意味します。

「(地震の)予知が難しい」(愛知工業大学 横田崇教授)

気象庁OBの横田崇さんは、古巣から「予知」の二文字が消えることを時代の流れと受け止めます。

「確度の高い(地震の)予測をする、これが難しいということが、科学技術が発展して明らかになった。予知ができないのに予知の名前をずっと看板に掲げておくのはどうか?という懸念は(気象庁に)あったと思う。『できないことをやる課』みたいに見えますから」(愛知工業大学 横田崇教授)
「仕事というのは社会情勢や技術革新によってどんどん変わる。変わらなければいけないと私は思っているので、そういう意味では(予知の看板を下ろすのは)むしろ遅すぎたのかもしれませんが・・・」(気象庁 関田康雄長官)

今年の秋、気象庁は新しい庁舎に移転します。組織と拠点の両方を一新するにあたり、掲げたキーワードは「防災」と「情報」。大雨などの気象現象が局地化・集中化・激甚化する中、これまで通りのやり方では十分に対応できないと判断した末に、気象庁は、創設以来となる「変革の道」を歩み始めています。(27日10:52) JNN/TBS

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