なぜいま憲法改正議論? 背景にコロナや緊迫する国際情勢

JNN/TBS
2021年5月3日 (月) 19:34

5月3日は憲法記念日です。日本国憲法の施行から74年を迎え、菅総理は、現行憲法について「時代にそぐわない部分は改正していくべき」と訴えました。

「現行憲法も制定から70年余り今経過し、時代にそぐわない部分、そして不足している部分については改正していくべきではないかと考えています」(自民党 菅義偉総裁)

憲法記念日の3日、自民党総裁として改憲派の集会にビデオメッセージを寄せた菅総理。コロナ禍が長引くなか、災害時の内閣への権限強化などを定めた「緊急事態条項」の新設などを訴えました。

「日本国憲法に緊急事態条項がないことをもって、必要な感染拡大防止策が取れていないという暴論をはく人が、残念ながら少なからずいます」(立憲民主党 枝野幸男代表)

一方、立憲民主党の枝野代表は“コロナ対応の遅れは憲法ではなく政府の判断の問題だ”と指摘。こうしたなか、憲法改正をめぐり国会では、商業施設への「共通投票所」の設置など改正の手続きを定めた国民投票法改正案の審議が山場を迎えています。

与党は、連休明けの6日にも衆議院の憲法審査会で採決に踏み切る構えで、国民投票でのCM規制などについて必要な措置を盛り込むよう求める立憲民主党との間で最後の調整が進められています。

法案が提出されたのは2018年6月。3年近く採決に至らなかった背景に何があるのでしょうか。

「国民投票法の改正案自体は、既に国政選挙などで導入されている仕組みに合わせるものですが、一部の野党は、改正案が成立すれば、与党が憲法本体の改正議論を推し進めてくるのではと警戒している」(政治部与党キャップ 中島哲平)

「自衛隊の明記」など改憲4項目を取りまとめてきた自民党ですが、ここにきて関心を集めるのが「緊急事態条項」の新設です。新型コロナの感染が拡大するなか、政府が緊急事態により強い権限で対応できるよう憲法を改正すべきとの声も上がり始めています。

また、海洋進出を強める中国やミサイル発射の挑発を繰り返す北朝鮮などへの警戒感も憲法改正の機運を高めることに繋がるとの見方も出ています。

「新型コロナの病床確保が遅れているのは政府の権限が弱いからだという指摘もあって、政府により強い権限を持たせて対応に当たって欲しいという世論の高まりはあるんだと思います。ただ、国の礎となる憲法の改正議論は落ち着いた環境で行うとしてきてますし、コロナ対応は今ある法律で対応できるとの指摘もありますから、慎重な議論が必要だと思います」(政治部与党キャップ 中島哲平)
(03日17:22)