築8年で“階段崩落”死亡事故、施工会社の元社長を直撃

JNN/TBS
2021年5月3日 (月) 19:49

東京・八王子市で築8年のアパートの階段が崩れ落ち、住民が死亡した事故は、国が東京都と神奈川県に対し、緊急調査を要請する事態に発展しています。施工会社の元社長がJNNの取材に応じました。

「ドーンとでっかい音が聞こえました」(アパートの住民)
「(事故の後)アパートの前に板状の階段みたいなものが置いてあるのは見ました」(近所の住民)

先月17日、突然崩れ落ちた階段。このアパートに住む大手里美さん(58)が階段ごと転落して死亡しました。建物は、まだ築8年。事故はなぜ起きたのでしょうか。階段は、踊り場付近から崩れていました。これまでの捜査で、踊り場の建材として使われていた木材が腐食していたことが分かっています。

警視庁は2日、施工業者の「則武地所」など関係先7か所を業務上過失致死の疑いで家宅捜索し、設計図などを押収しました。

設計を担当した建築士はJNNの取材に対し、木材を使う想定はなかったと証言しました。

「階段は鉄骨で設計した。木材が使われていることは事故が起きて初めて知った」(設計した建築士 JNNの取材に)

なぜ、使わないはずの木材が使われたのでしょうか。問題のアパートを施工した当時の則武地所の社長を直撃しました。

Q.(踊り場が)木造になったのはなぜ?
「それは今、警察が調べているので」(則武地所 アパート施工当時の社長)
Q.誰の判断で?
「それはちょっと今の段階では言えないので」(則武地所 アパート施工当時の社長)
Q.(使用したのが)木材と知っていた?
「そういった諸々は今、警察が調査中なので。ご遺族の方には大変申し訳ないなという気持ちはすごくあります」(則武地所 アパート施工当時の社長)

専門家は、雨ざらしとなる外階段に木材を使うことは避けるべきだとした上で、使用された理由については、こう推測します。

「(部材が)ずれてしまったりとか、うまく接合できないようなことがあるんですよ。ところが接合部分を木材で作ると融通がきくんですね。現場で場当たり的な施工でもできます」(一級建築士〔建築Gメン〕 川口晴保さん)

建築基準法では、外付け階段に木材を使う場合に防水加工などの防腐処理が義務付けられていますが、捜査関係者によれば、必要な防腐処理は施されていませんでした。「則武地所」の施工物件については、同じ八王子市だけでも、同様の施工不良が疑われる物件がすでに数件見つかっているということです。

「則武地所」は東京と神奈川を中心にアパートなどの施工を手がけていて、国土交通省は東京都と神奈川県に対し、緊急調査を行うよう要請しました。(03日15:08)