フランス アストラゼネカ不人気で廃棄も

JNN/TBS
2021年5月4日 (火) 17:39

「World特派員リポート」。今回はフランスから。新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、ある問題が起きているといいます。パリから富永記者の報告です。

ワクチン接種が遅れがちだったフランスですが、6月15日からは18歳以上の人の予約が可能になります。一方で、供給が進むにつれて、ワクチンの選り好みが起きています。

「コロナ禍の真っただ中、誰も接種したがらないので、ワクチンを捨てざるを得ません。ごめんなさい」(パトリック・ヴォグトさん)

フランス東部ミュルーズの開業医パトリック・ヴォグトさん。手にしているのはアストラゼネカのワクチンです。1瓶で10回打つことができますが、使用期限である48時間以内に6人しか希望者がおらず、残りを捨ててしまったのです。

「20人くらいに薦めましたが、接種したい人が誰もいなかったので捨てるしかなかった、悲惨ですよ」(パトリック・ヴォグトさん)

アストラゼネカのワクチンは、通常の冷蔵庫で保管できるという利点もあり、世界で最も多い139の国と地域で接種されています。その一方で、EMA=ヨーロッパ医薬品庁がごく稀に血栓症が発症する可能性を認め、フランスでは「信頼しない」という人が71%、「信頼する」(28%)の2.5倍以上になっています。

ファイザーかアストラゼネカのワクチンを選んで打つことができる会場では、多くの人がファイザーを選んでいました。

「ファイザー製は307件、アストラゼネカ製は29件の予約が入っています」(受付担当者)

「絶対に(アストラゼネカ製ワクチンは)打ちたくないです」(ワクチンを接種しに来た人)
「きょうは打たないですか?」(受付担当者)
「はい。ファイザーを打ってもらえると思っていました。アストラゼネカを薦められましたが、それだけはごめんです」(ワクチンを接種しに来た人)

Q.ワクチンが捨てられるというのは世界的に見てもワクチンが不足している中ですので、何か解決策が欲しいものですね?

世界ではワクチン格差が問題となっています。WHO=世界保健機関は、「国ごとに驚くほどの格差がある」と問題視していて、ワクチンを平等に広く行き渡らせることが重要だと訴えています。また、EMAは、アストラゼネカのワクチンについて、接種後に血栓症を発症したのは1万人に1人未満で「接種のメリットはリスクを上回っている」と評価しています。

「(アストラゼネカ製)ワクチンには問題があるという考えが定着してしまっています。説明が不十分です、ちゃんと(リスクとメリットについて)伝えるべきです」(パトリック・ヴォグトさん)

アストラゼネカはJNNの取材に対し、「私たちは、パンデミックを抑え、命を守ることに貢献できていると信じています」とコメントしています。(04日12:29)