100の変異を1回で判別、ウイルス検査の画期的技術

JNN/TBS
2021年5月4日 (火) 17:19

東京・大田区にある東邦大学医学部。新型コロナの変異ウイルスが国内で猛威をふるう中、この大学の研究グループなどが開発した技術に今、注目が集まっています。

「ここにプレートをセットします」
「新型コロナウイルスの変異なのか、変異ではないのかを複数の場所を同時に検出します」(東邦大学医学部 青木弘太郎助教)

今回、開発されたのは、1度の検査で複数の変異を見つける新しい技術。使われるのは、直径0.04ミリメートルのとても小さな円盤。特定の遺伝子と反応する試薬がついたこの円盤と新型コロナの遺伝子、さらに、光る試薬を混ぜると・・・、変異を持つ部分に反応して、白く光りました。

「白く光ってるところが、蛍光が発光されてるところなんですけど、蛍光シグナル(強度)が多く取れ、このウイルス株はE484Kが陽性。つまり、変異株(ウイルス)だったということになります」(東邦大学医学部 青木弘太郎助教)

測定にかかった時間はわずか1時間半。種類の異なる円盤を使うことで、同時に100余りの変異を検出することができるのです。

「PCRですと一つあるいは一つから四つ程度が限界なんですけれども、多数のターゲット(変異)を同時に検出することを可能にしている」(東邦大学医学部 青木弘太郎助教)

現在、国は変異ウイルスのスクリーニング検査をイギリスなどで流行していた「N501Y」という変異だけを対象に行っています。しかし、都内では先月、インド由来の新たな変異ウイルスの感染者が判明。インド由来の変異は検疫でも合わせて20件の感染が確認されていますが、スクリーニング検査の対象になっていないため、国内での感染の実態は明らかになっていません。

開発にあたった東邦大学の舘田教授は、今後、海外由来のものだけでなく日本でも新たな変異ウイルスがうまれる可能性を指摘。特定の変異に限らない、網羅的な検査体制が必要だと話します。

「今はイギリス型が優位で、それを検査するということに焦点が当てられているけれど、今からも新しい変異ウイルスが出てくるし、いろんな遺伝子変異が(海外から)入ってくる。N501Yしか見てないと、N501Yは陰性でしたということで、それで終わっちゃう」(東邦大学医学部 舘田一博教授)

開発された技術は今後1、2か月以内の実用化を目指しているということです。(04日14:02)