介護タクシーがコロナ患者を搬送 “民間救急車”の現場【現場から、】

JNN/TBS
2021年6月10日 (木) 05:33

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、名古屋市では、コロナ患者の搬送の一部を介護タクシーが“民間救急車”として担っています。感染リスクと隣り合わせで下支えをするその現場をカメラが追いました。

「はい、佐藤です。北区?はい。急きょ入りました、すぐ出ます」

介護タクシードライバーの佐藤憲一さん(45)。要請を受け、すぐに患者の自宅へ向かいます。防護服を着て、ゴム手袋を二重にして準備。患者を乗せて病院へ搬送します。

「38℃超えがずっと続いていて」(男性患者)
「何日ぐらい続いていますか?」(佐藤さん)
「きょうで1週間ですね。かかる前はこんなにつらいと思わなかったけど、かかってみるとつらいですね」(男性患者)

名古屋市内のクリニックに到着しましたが、受け入れ態勢が整うまで車内で待機です。

「マスクも消毒もちゃんとしていたんだけど、結局かかっちゃうときはかかっちゃう・・・」(男性患者)
「気を付けていてもね・・・」(佐藤さん)

待つこと30分。ようやく中へ入ってCT検査を受けた男性は入院が必要となり、受け入れ先が決まるまでいったん自宅に戻って待つことに。

患者を送り届けた後は、数十分かけて車内を隅々まで消毒。防護服を着たままで行います。

「(患者を)待っている間にトイレにも行けないですし、水分もなかなか取れない状態なので、そこがきついですね」(佐藤憲一さん)

普段は高齢者や障がい者を乗せている介護タクシー。名古屋市では去年12月、担い手不足からコロナ患者の搬送の一部を介護タクシー事業者に委託しました。

「(1日の要請件数は)一番多くて、ここ最近は10件以上ですね。大変なことになっていることを実感するのが今の現状ですね」(福祉・介護移送ネットワークACT 鎌倉安男代表)

家族への感染や風評被害を避けるため、佐藤さんたちドライバーはアパートで1人暮らしをしています。

「やっほ~!」(息子)
「お風呂入ってきた?」(佐藤さん)
「うん!」(息子)
「これからご飯ですか?」(佐藤さん)
「うん!」(息子)

子どもの顔を見ながら会話をするときが、今、一番ほっとできる時間です。ドライバー仲間2人が新型コロナに感染。うち1人は重症化したことを聞き、不安になったといいますが・・・

「誰かがやらなきゃいけないという、自分がたずさわることで1人でも多くの人が助かればいいなと思います」(佐藤憲一さん)

「ありがとうございました」(男性患者)

少しふらつきながら帰っていく患者を、佐藤さんはいつまでも心配そうに見守っていました。

「扉に入るまではこちらにも責任があるなということで、しっかり見送らせていただきました」(佐藤憲一さん)

きょうも佐藤さんは患者を乗せ、病院へ向かいます。(09日09:11)