医療機関以外でのコロナ死者が過去最多 保健所把握できないケース相次ぐ

JNN/TBS
2021年9月14日 (火) 21:21

新型コロナウイルスに感染しても適切な医療を受けることが出来ないまま自宅で亡くなった人などが、先月、東京都では112人と過去最多になったことがわかりました。

東京都 小池百合子知事
「死亡の例の報告が毎日2ケタを超える」

感染者数が減少する中でいまだに深刻なのは、自宅療養で亡くなるケースです。

東京都 小池百合子知事
「40代の男性は連絡が途絶えて、ご家族が連絡をされてきたと」

都が発表している「自宅療養中の死者」は、8月から今月13日までの時点で39人。ところが警察庁のデータでは、これよりもはるかに多い感染者が自宅などで死亡していることがわかりました。

都内では先月だけで112人。これまで最多だった第三波の1月でも46人で、その2.4倍に急増しています。都が発表している39人と比べ、なぜ大きな開きがあるのでしょうか。

都の集計では、自宅などで容体が急変して亡くなった後の検査でコロナ感染が判明した人や、感染がわかっていても保健所が容体を把握する前に死亡した人などが含まれていないのです。

先月、江戸川区では・・・

記者
「男性はPCR検査を受けたその日の深夜に容体が急変し、自宅で亡くなったとみられています」

基礎疾患のない30代の男性は病院で「軽い肺炎」と診断され、PCR検査を受けていました。しかし翌日、「連絡が取れない」との知人からの通報で警察官が駆けつけたところ、自宅で亡くなっているのが見つかりました。まだ保健所が把握する前で、都の死者にはカウントされていません。さらに・・・

記者
「先月、練馬区では自宅療養中の70代の男性が死亡しました。男性の家族は亡くなる前、感染防止のため自宅を離れていたということです」

家庭内感染を恐れた家族が別の場所に寝泊まりし、2日後、訪問診療の医師と様子を見に来たときには、男性は死亡していたといいます。ただ、直接の死因は熱中症と判断され、都の死者数には含まれていないとみられます。

保健所が容体を確認できないまま亡くなったケースは他にも・・・。荒川区の田尻敏仁さん(53)はコロナの感染が判明後、1人暮らしの自宅で待機を余儀なくされていました。

田尻さんの上司
「『保健所からの連絡を待っている。非常に不安である』と(田尻さんが)言っていたので職場として心配していました」

これはJNNが入手した保健所の対応をまとめた資料です。

『初回調査のため電話するもワンコールで切れる』

感染が判明した翌日には・・・

『ドアをノックするも応答なし。郵便ポストに投函して訪問終了』

「連絡待ち」の方針も記載されていますが、その後も毎日、保健所から電話をかけ、ワンコールで切れる状態が続いたといいます。一方で、この間、職場の上司は田尻さんと連絡が取れていました。

田尻さんの上司
「毎日電話する中で食料が不足してきたと。職員が食料を差し入れました。訪問したときには、まだ熱が下がらないと言っていました」

そして、感染判明から9日後、連絡がつかなくなったため、翌日、上司が保健所の職員とともに自宅を訪問することに。保健所の記録には・・・

『ドアノックするも応答なし。警察と消防を要請する。1階でご本人発見』

田尻さんはすでに死亡していました。

保健所が容体を把握できず、適切な治療を受けられないまま自宅で死亡する悲劇をどう防いでいくか。東京都は医療体制の充実を図るとしたうえで、「自宅での容体急変に備え、家族や知人と連絡を密に取り合ってほしい」などと呼びかけています。(14日17:22)