ヤングケアラー SOSを支援につなげるには

JNN/TBS
2021年9月15日 (水) 00:46

家族の介護や世話に追われるヤングケアラーと呼ばれる子どもたち。中学生の17人に1人とも言われる状況に政府は支援の整備を早めています。ヤングケアラーが語った課題とは? 国山ハセンが当事者の声を聞きました。

「愛莉ちゃん、最近どう?」
「8月に就職が決まりまして」

オンラインで相談に乗る宮崎成悟さん(32)。ヤングケアラーだった経験から、去年4月に気軽に相談できるコミュニティーを立ち上げました。

「父親はギャンブル依存症もある」
「母に『一人暮らししたい』と言うと『見捨てるの?』と言われる」

書き込みにはメンバーから、「つらいね」などのリアクションが返ってきます。

国山ハセン キャスター
「自分が思っていることや悩み事をここで共有したいと?」

ヤンクルコミュニティー 宮崎成悟代表
「相談まではいかないんですけど、はき出したいという内容が多いので、ここでつぶやいていただいて」

ヤングケアラーは国の調査では中学生の「17人に1人」と言われていて、特別な存在ではありません。自身も中学生の頃から難病の母親のケアをしていた宮崎さん。当時は自分がヤングケアラーだとの認識もなかったといいます。

ヤンクルコミュニティー 宮崎成悟代表
「その頃は介護っていう認識はあまり持ってなくて、もうひたすら頑張ってサポートしている状態だったんですけど、たまに部活を休まなきゃいけないとかっていうシーンも出てくると、『なんて言ったらいいんだろうな』みたいな」

大学4年生の近藤愛莉さん。幼いころから自閉症の弟の世話をしています。先月、就職が決まりました。

弟のケアをする 近藤愛莉さん(22)
「弟のケアと就職してからどうバランスを取るのかとか、お休みの取りやすさだったりとかは気になりました」

近藤さんは、ヤングケアラーであることを他人に言いやすい環境になってほしいと考えています。

弟のケアをする 近藤愛莉さん(22)
「ヤングケアラーって格好いいんだよみたいな、マイナス面ばかりじゃなくプラス面も、ケアをしていたからこういう部分が強みになったとか、そういうのも広まったら、自分から言い出せる子も増えたりして、支援とかも広がるんじゃないかなと」

ヤングケアラーの支援をめぐり、国も動き出しています。14日に開かれたヤングケアラーへの支援に関する会合。厚生労働省と文部科学省は対策強化の方針を決めていて、来年度の予算に自治体への財政支援やソーシャルワーカー向けの研修などの事業費を盛り込んでいます。

14日の会合では、都市部と地方では家族形態も異なることから「まず自治体ごとにヤングケアラーの実態把握をしてほしい」として、調査に対し国が補助金を出すことなどを確認。実態調査の対象も、中高生から今年度中に小学生と大学生に拡大します。

しかし、そもそもヤングケアラー自身から声をあげるのは難しいと当事者は話します。

国山ハセン キャスター
「1人で抱え込んだり悩んだりすることも多かったですか?」

母親のケアをする 高校3年(18)
「周りにどう頼っていいかも分からなかったので、自分だけ我慢すればいいんだみたいな気持ちはどこかにあった」

そう話す18歳の高校3年生は、小学生のときから統合失調症の母親のケアをしてきました。

母親のケアをする 高校3年(18)
「他のヤングケアラーもそうだと思うが、すごく家族のことを大切に思っていて、だからこそ周りに心配をかけたくないという思いだったり、そういう子どもたちに支援が行き届けばいい」

ヤングケアラーを支援する団体の持田さんは・・・

ケアラーアクションネットワーク協会 持田恭子代表理事
「日常生活でケアを当たり前のようにしていると、ちょっと困った、疲れた、やりたくないということが言えなくなる。SOSを求めてもいいということをヤングケアラーに伝えていくことは必要」
(14日23:23)