未知への探求“ウイルスハンター”【現場から、】

JNN/TBS
2021年9月15日 (水) 06:28

シリーズ「現場から」です。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、次に人類に危害を及ぼすウイルスが生まれていないか?未知なるウイルスを探している研究者がいます。

全身防護服で狭い洞窟を進んでいくのは、名古屋大学農学部の本道栄一教授(53)。新型コロナの先を見据え、未知のウイルスを探しています。

名古屋大学 農学部 本道栄一教授
「基本的にはないもの探しなので、トレジャーハンターみたいなものかもしれませんね」

日本に数人しかいない「ウイルスハンター」です。

名古屋大学 農学部 本道栄一教授
「すごいいる!やばい、やばい、やばい!」

洞窟の中で飛び回っているのは、数十匹のコウモリ。お目当ては、そのフンです。狂犬病やSARSといった感染症は、原因となるウイルスをコウモリが持っていて、それが他の野生動物との接触で変異し、人に感染するようになったとされています。いま、世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスも元々はコウモリが持っていた可能性が指摘されています。

名古屋大学 農学部 本道栄一教授
「大量、大量。仕事になりますよ~」

そこで、コウモリのフンを採取して新たな感染症の火種となるウイルスがないかを探すのがウイルスハンター、本道栄一教授の研究です。魚釣りに、虫取り。幼い頃から生き物が大好きでした。しかし、学生の頃は別の夢が。

名古屋大学 農学部 本道栄一教授
「私の中でのヒーローは具志堅用高さん、ひとりだけ。具志堅用高になりたかった」

開成高校から東京大学に進んだ年にプロボクサーとしてデビュー。デビュー戦はわずか29秒でKO勝ち。ついたあだ名は「赤門のジョー」。しかし、デビューから3戦目で敗北すると・・・

名古屋大学 農学部 本道栄一教授
「“1回負けたら、僕は天才じゃない”と思っていた。要は、具志堅用高になれないというのが、僕の中で決定的なものだった」

およそ1年でボクシングの世界に別れを告げ、大好きだった「生き物」の研究の道へと進むことを決めました。

この日、洞窟で採取したコウモリのフンを分析。

名古屋大学 農学部 本道栄一教授
「これは大きさから言っても、新型コロナやMERS・SARSといった感染症よりも、ずっと軽い、風邪のような症状を示すことがあるウイルス」

未知のウイルスは簡単には見つかりませんが・・・

名古屋大学 農学部 本道栄一教授
「調べれば調べるほど、コウモリからウイルスは見つかって、どれが感染症を引き起こすか、わからない。将来的に『こんなウイルスが出てきた時には、この薬が効くって論文があったよ』という形で、貢献できれば研究者としては幸せなこと」
(14日09:32)