【解説】冬の第6波はいつ来る?第5波の収束見通せない中、専門家が懸念

JNN/TBS
2021年9月16日 (木) 15:06

第5波収束が見通せない中、専門家は早くも「冬の第6波」への懸念を示しています。また、厚労大臣も「第6波を見据えて対応せねばならない」と発言しています。「冬の第6波」はいつ来るのでしょうか?また、「冬の第6波」への備えは十分なのでしょうか?専門家に聞きました。

良原安美キャスター:
東京都の新規陽性者の数、今減少傾向にあります。8月13日の5773人をピークに減少していきまして、今日は1052人でした。
直近の7日間平均は1132人。前の週と比べて55.5%と半数近く減っていることになります。この減少傾向の要因の一つとして挙げられているのが、ワクチンの接種率です。
15日に公表されている時点での接種率1回目が約64.4%、2回目接種完了している方が約52.1%と、国民の半分以上が接種を完了させたことになるんですが、そんな中での新型コロナウイルス陽性者のワクチン接種歴のデータを見ていきます。
今月の1日から3日に確認された陽性者4万2125人のうち、ワクチンを接種した後に陽性となった方もいるんですが、未接種で陽性となった方が79%、約8割に上っているんです。このデータを見てもワクチン接種、一定の予防効果があると言えそうです。
減少傾向にあるということでほっと一息つきたいところなんですが、今日の衆議院厚生労働委員会では、既に次の第6波への危機感が示されました。政府分科会の尾身茂会長です。「ワクチン接種率が上がるのはいいことだが、それによって対策警戒感が緩むのが今回の冬の感染拡大の重要な要因だと思う」と、第6波を懸念する発言です。また、田村憲久 厚生労働大臣も「世界的に見ると接種がかなり進んでいる国でも、以前のように感染が広がっている第6波というものもしっかり見据え対応せねばならない」と、第6波への懸念をお二方とも示しています。

ホラン千秋キャスター:
藤倉さんこれまでも、例えば東京でいいますと、やはり数百人程度に感染者数というのを抑えたところで、またしばらくそういった状況が続いて再び感染が拡大していくというのは、何度もあったパターンですよね。

防衛医科大学校病院 感染対策室長 藤倉雄二さん:
はい、ウイルスは世界中を循環してますのでいろんな国で波っていうのが起こっている状況です。当然日本でも今後は起こりうると思うんですね。私がすごい気になっているのは、その波と波の間隔がどんどん短くなっていて、しかもその波と波の間の患者数ですね、これもだんだん増えてきているのが非常に気になるところなんですね。なのでこの波を小さいところまで抑えておかないと、ちょっと次の波がどれぐらいの規模でくるのかっていうのが想像できないぐらいになってしまうんじゃないかと思います。

井上貴博キャスター:
映像でもご覧いただいたブレイクスルー感染についても伺いたいのですが、このブレイクスルー感染が怖いと報じることに私個人的には違和感を持ってまして、ブレイクスルー感染は起きて当然で、インフルエンザもワクチンは感染予防ではなくて重症化予防、そうするとコロナも同じであるという観点に立つと、先生の肌感覚で、ブレイクスルー感染が起きる割合っていうのは、インフルエンザ、他のウイルスと比べ、コロナは多いんですか。ごめんなさい、データはないので、どのくらいの感覚でいればいいんでしょうか?

防衛医科大学校病院 感染対策室長 藤倉雄二さん:
はい、インフルエンザなどと比べると、明らかにコロナのワクチンはすごい効果があると思います。なのでブレイクスルー感染自体はかなり少なく抑えられているのではないかと思います。ただですね、やっぱりワクチンを打っておけば大丈夫とか、ワクチンを打ってるから重症化率はそれなりに抑えられているっていうことで、どんどん気が緩んでいってしまうので、 やはり避けなければいけない。どうしてもそのブレイクスルー感染の中でも重くなってくる人たちを我々見たりしますので、感染対策をしっかりしつつ、日常の行動というのを十分注意するっていうのはこれからも続けていく必要があると思います。

井上キャスター:
ワクチンを打てない方もいらっしゃるわけですよね。

防衛医科大学校病院 感染対策室長 藤倉雄二さん:
そうですねおっしゃる通りです。やっぱりすごく怖がってしまってワクチンを打たない方ってのもいらっしゃいますし、いろいろそのアレルギーの関係があってどうしてもちょっとワクチン打つのがっていうことを躊躇される方ってのも一定数いらっしゃいますので、やはりどうしても万全じゃないということは常に頭に置いておかなきゃいけないと思います。

良原キャスター:
第6波については厚生労働省も各都道府県にその備えを要請しています。
今年の1月頃の第3報を受けて、3月から病床の数を見直していました。そのときの想定なんですが、一日の最大療養者数は約14万人、確保病床数は約4万1000床。そして、宿泊療養者、自宅療養者数は想定が約9万9000人だったんです。これが今回の第5波では想定を上回るものになりました。
今月1日の療養者数は約21万人と想定の約1.5倍に。また入院者数は想定よりも少ない約2万5000人になりました。宿泊療養者、自宅療養者数などは約18万3000人と想定の約2倍となったんです。では、第6波に向けてです。厚生労働省、各都道府県へ病床を増やすという見直しに加えまして、入院待機ステーション、酸素ステーションなどの拡充でしたり、抗体カクテル療法など実施可能な施設などの整備を求めています。
大阪では今の医療のひっ迫や次の感染の波に備えて、一昨日、いわゆる野戦病院の開設を発表しています。今月の30日からの運用を目指し、国際展示場がその会場になります。
診療体制を監修するのは、大阪大学の忽那賢志 教授です。まずは軽症、無症状の患者さん向けに500床を整備して、最終的には中等症も合わせて1000床規模を整備する予定。
大阪府の吉村知事は「感染の急拡大はいつ起きるかわからない。災害級の感染爆発に備えた施設の準備を急ぎたい」というふうに発言しています。

ホランキャスター:
藤倉さん、この第6波、来るには来るだろうけども、いつ来るかわからないというふうになりますと、やはり民間病院などでは、こういった設備だったりベッドだったり、いつ来るかわからないものに対して常に確保しておくというのは、難しいものなんでしょうか?

防衛医科大学校病院 感染対策室長 藤倉雄二さん:
今回ですね、入院患者数が、第5波を想定したときよりも少なかったっていうことですね。これは結局入院してる人が少なくて済んだというわけでは全然なくて、むしろその病床が準備が十分できなくて、結果としてこれぐらいしか入院できなかったと。その結果、在宅療養をせざるを得ない人、そしてもう本当に自宅に機械、酸素濃縮器を置いて診ざるを得なかった人というのが、これだけたくさんいたというのはやっぱり非常に大きな問題なんじゃないかと思います。今の時期というのはちょうど感染が収まりつつあって比較的余裕のある時期なので、その大阪の取り組みのような形で、きちっと重症化させない準備をしておくってことは非常に大事なことだと思います。

井上キャスター:
ですよね。次の波はもう必ず来ますので、検査陽性者が増えるであろう。ドーンと増えると思われる。でも重症者の波をいかに抑えられるか、感染予防対策を行いながら、医療、今拡充させるという時期なんだろうと感じます。(15日18:36)