「北アイルランド議定書」めぐりEUも案提示 事態打開に向け本格交渉へ

JNN/TBS
2021年10月14日 (木) 08:38

イギリスがEUを離脱した後の北アイルランドの扱いについて取り決めた「北アイルランド議定書」に対する現地の不満が強まっていることについて、EUは物品のチェックを大幅に削減するなどの新たな案を提示しました。

イギリス領北アイルランドは、イギリスの一部であり続けることを主張する勢力とアイルランドとの統一を目指す勢力との間で1960年代後半から1998年の和平合意まで紛争が続いた歴史があります。

イギリスがEU離脱の際にEUとの間で取り決めた「北アイルランド議定書」では、北アイルランドとEU加盟国のアイルランドとの間に紛争の新たな火種となりかねない物理的な国境を作るのを避けつつ、EUの単一市場を保護するためにイギリス本島と北アイルランドの間で事実上の税関チェックを行うことなどが取り決められています。

ただ、これについては、北アイルランドの親イギリス派から「母国から切り離された」との強い不満の声が上がっているうえ、関係する企業にとっては物品の移動に必要な手続きにかかるコストや時間が増え、一部は経営が圧迫されています。

この問題について、EU委員会のセフォヴィッチ副委員長は13日、イギリス本島から北アイルランドに畜産物・農産物などを移動させる際の手続きを大幅に簡略化することなどを柱にした提案を公表しました。提案では手続きを削減するかわりに、常設の国境管理施設をつくることや、「英国内向け限定」のラベルの導入など、イギリス側に条件を付けています。

イギリス側は何らかの問題が生じた際、調停の最終判断がEU司法裁判所に委ねられていることについて強く変更を求めていますが、これについては触れられていません。イギリスは前日12日にイギリス側の提案を法的な文書に落とし込んだものをEU側に提示していて、今後、両者の間で厳しい交渉が続くことになります。(14日08:25)