濃厚接触者の待機期間、政府は短縮の方向 でも医療現場には不安

JNN/TBS
2022年1月14日 (金) 13:12

政府は新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者について、自宅などでの待機期間を、14日間から短縮する方向で検討しているようです。また、濃厚接触者のうち、医療従事者については、毎日の検査で陰性であれば出勤することも可能としています。しかし、実際の医療現場からは「不安を抱えながら仕事をすることは厳しい」という意見も。

今後のオミクロン株の感染拡大により、医療現場だけでなく、学校や介護、交通や流通にも影響を与えかねない、濃厚接触者の「待機」問題。今、わかっていることを、専門家にきいてみました。

■東京の新規陽性者 9500人になる可能性も

斎藤慎太郎キャスター:
東京都の13日の新規陽性者数は3124人でした。都のモニタリング会議で専門家は「この水準で陽性者数が増加していくと、来週1月20日には直近7日間平均が約9500人(推計値)に上る」「危機的な感染状況になる」と注意を呼びかけました。
13日確認された陽性者のうち、ワクチンを2回接種していた割合が67.4%ということで、ワクチンを2回接種していても感染してしまうという状況がわかります。

■ワクチンの3回目接種が急がれる理由

ワクチンの発症予防効果についてイギリス保健省のデータがあります。オミクロン株に対するワクチンの有効性ですが、接種してから2週間から4週間で有効性は約60%、そこから一気に減っていきまして、約半年経つと約10%まで低下するということです。これはデルタ株と比較するとかなり低い数値となっていまして、2回接種に頼りきれないという現状がわかると思います。ただ、3回目の接種をしますと、約70%にまで増加。そしてそこから約2か月半後も約50%に保たれるということで、やはり3回目接種の準備が急がれるということになります。

ホラン千秋キャスター:
3回目接種をしても少しづつ下降線をたどるということですので、半年に一度くらいは打たなくてはいけないワクチンということになっていくんでしょうか?

国際医療福祉大学 感染症学講座 主任教授 松本哲哉医師:
この流行がずっと続くのであればその間に関してはだいたい半年ぐらいを目処に打っていくことになると思います。けれども、感染の状況を踏まえてということになりますので、その時々で判断は変わってくるだろうと思います。

ホランキャスター:
改めて株ごとに効くワクチンというのは如実に変わってくるんですね。

松本医師:
オミクロン株は明らかに今までと違う株ですね。本来であればある程度ワクチン接種でそこそこの有効性を期待できたわけですが、少なくともオミクロン株に対しても3回接種すれば7割ぐらいまで予防効果が上がりますので、決してブレイクスルー感染が起こるからワクチンが無効だということではなくて、3回接種をすれば一定程度の効果は十分期待できると思います。

井上貴博キャスター:
マスコミが「ワクチンを打っていても感染する」という発信ばかりになってしまうとワクチンって何のために打ったんだっけ、とぶれる気が少ししていまして、重症化予防の効果や有効性についてもう一度教えていただいてもいいですか。

松本医師:
重症化予防の効果も時間が経てばもちろん下がってきますが、3回目を打つとオミクロンであっても重症化の予防がしっかり出せると思います。それに3回接種した人は感染はするんですけど、その後のウイルスの減り方は確実に打っていない人に比べれば減りますので、効果はみられると考えていただいていいと思います。

■濃厚接触者の待機期間は短くすべき?

斎藤キャスター:
増加している濃厚接触者の待機期間についてです。厚生労働省は12日「濃厚接触者となった医療従事者は、毎日の検査で陰性であれば出勤が可能だ」という方針を発表しました。しかしこれに対して昭和大学病院の相良博典院長は濃厚接触者の出勤について「濃厚接触者という不安を抱えながら仕事をすることはやはり厳しいと思う」とハードルの高さをおっしゃっていました。

では医療従事者以外の濃厚接触者の待機期間です。政府は現在「14日間」と定めていますが、そこから短縮する方向で検討に入りました。といいますのも専門家から「オミクロン株は従来株より潜伏期間が短い」という指摘があったということで、このような検討に入ったということです。

ホランキャスター:
医療の現場に携わる方からすると、隔離というふうに言ってましたけれども、待機する期間を変えていくということについてはどのような心境なんでしょうか?

松本医師:
諸外国は感染の状況がかなり厳しいので、社会を回すためには今の期間よりも待機期間を短くせざるを得ないということで、例えば欧米ではいろいろ方針を打ち出しています。例えば10日間になったり7日間になったり、あるいは検査を入れてもっと短くしたり。アメリカのCDC(疾病対策センター)は検査もしないでそのまま例えば5日間というふうに短くしたりしています。
ただこれが本当に正しいかどうかはわかりません。日本は非常に慎重ではあります。ただ今のルールをずっと守っていくとやがて濃厚接触者がずっと待機するがために医療従事者だけではなくて社会自体がなかなか回っていかない可能性は出てくるんだろうと思います。

井上キャスター:
今は医療従事者の濃厚接触者についてだけ「毎日検査で陰性であれば出勤できる」という話が出ていますが、社会全体を守るという意味では本当に医療従事者だけでいいのか、エッセンシャルワーカーも同じ考え方にしようかとか段階もあるんでしょうが、その辺り松本先生はどんな見解をお持ちですか。

松本医師:
検査はある程度どこかで必要だと思います。ただ、いずれにしろやっぱり期間は短くした方がいいでしょうし、ただ毎日の検査というと本当にそこまでできるのかという現場の声もあるんですね。なので、どこかのタイミングで検査をして陰性だと確認できれば、その後は仕事していいというふうな方針を少しずつこれから打ち出すべきなんだろうと思います。

井上キャスター:
全体として国として検査陽性者をどのくらい許容できるのか、そのあたりの国のリーダーシップが問われているのかもしれません。(13日18:33)