骨は“別の場所から流されてきた可能性”も… 山梨・道志村で発見の骨「母系親族関係に矛盾なし」今後の捜索のポイントは

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2022年5月14日 (土) 21:44
山梨県・道志村の山の中でみつかった人の骨について、警察はミトコンドリアDNA型鑑定の結果、行方不明になっている小倉美咲さんの母親・とも子さんと、母系親族関係があることに矛盾がないと明らかにしました。ただし、小倉美咲さんと特定されたわけではないとしています。
この骨について、専門家は「別の場所から流されてきた可能性が高い」としています。また、骨や、骨らしきものが点在している理由については、「イノシシなどの動物が移動させた」「大雨などで流された」可能性があるとしています。今後の捜査のポイントなども含め専門家に聞きました。


■母親からのみ受け継ぐ ミトコンドリアDNA型鑑定とは?

井上貴博キャスター:
5月12日、小倉美咲さんの母親・とも子さんはブログで、13日は美咲さんが10歳の誕生日を迎えるということ、そして「母親としては1年で一番一緒に過ごしてあげたい日」だとつづられていました。

12日の山梨県警の発表では、見つかった「頭の骨の一部」について、ミトコンドリアDNA型鑑定を行った結果、「小倉美咲さんの母親と血縁関係があることに矛盾はない」ということが明らかになりました。

この「ミトコンドリアDNA型鑑定」とはどういったものなのか、詳しくみていきます。細胞には中心に核が1つあり、その核の周辺に数百個あるのがミトコンドリアです。 
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▼一般的なDNA型鑑定
今回、最初に実施された鑑定で、核をもとに調べていくもの。情報量が多く、精度が高い。両親から受け継ぐもので個人の特定が可能。ただし、自然環境で消失する可能性も。
 
▼ミトコンドリアDNA型鑑定
核の周りに数百個あるミトコンドリアを鑑定。古くて微量でも鑑定が可能だが、情報量は少ない。母方からしか受け継いでないので個人の特定は不可。
 
今回も「母親との血縁関係」が分かりましたが、小倉美咲さんと特定することはできないという状況です。
 
家系図もみていきます。
このミトコンドリアDNAというのは「母親だけから受け継ぐ」ということになりますので、母親の娘、息子には受け継がれます。そこからまた母親から娘、息子に受け継がれます。ですが、父親からはこれは受け継がれません。技術的にはずっと上の代まで遡っていくこともできるようです。

警察は、母系の親族に行方不明者がいないか捜査を行っているということです。
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ホラン千秋キャスター:
「何かしら関係があるが、個人を特定することはできない」ということになりますと、捜査上、どんなことを積み重ねていくと特定に至るのでしょうか。
 
元大阪府警刑事 中島正純さん:
やはり一番大切なことは、もっと遺留品や骨、服などを沢山見つけるということが第一です。今は本当に少量しか見つかっていませんので、事故なのか、それとも事件なのか、それも分かりません。

一つ一つ、10センチ四方であるとか、棒状のような骨が見つかったということもありました。この棒状ということは、中にまだ細胞が残ってる可能性があります。そういうものを、頭の先から足の指の先まで全ての骨を集めて司法解剖すると、もしかしたらその骨に刺し傷があるかもしれないし、切り傷があるかもしれない。殴られた跡があるかもしれないし、首を絞められた跡があるかもしれないということで、事件か事故かが分かるんです。

ですから、まず一番最初に今やらなければならないのは、全てのできる限りたくさんの骨を集めるということです。5月13日も大雨が降るという予報になっているので、また証拠品や骨も流れてしまいます。そういうことを考えると、一気に短期間でやるためには警察官を200人、300人と一気に導入するということが大切なのではないかなと思います。
 

■なぜ骨の一部が点在 動物?大雨? 流されてきた可能性も

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井上キャスター:
捜索についてです。▼4月23日、頭の骨の一部が見つかったのは、枯れた沢の下辺りで、小倉美咲さんが行方不明になったキャンプ場とは約600mほどの距離があります。
その後、▼4月28日に右足の運動靴、▼4月29日に左足の運動靴と靴下(片方)、▼5月4日に右の肩甲骨(数センチ四方)と黒っぽい衣服、▼5月11日に骨らしきものが発見されました。
 
法科学鑑定研究所の山崎昭所長に話を伺いました。
骨が点在して見つかったことについて「イノシシなど動物が移動させた可能性」、「大雨などで流された可能性」があると指摘しています。

また、山崎所長は「もし動物が移動させたとなると、骨に歯型などが残るはず、そういった発表がないということは流されてきた可能性が高いのではないか」と仰っていました。
   
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ホランキャスター:
遺留品であったり、骨であったりというものが点在しているということは、やはり流されてきた可能性が高いのかどうなのか、どういったところから判断するのでしょうか?
 
元大阪府警刑事 中島正純さん:
2年7か月前に行方不明になられた時に、この場所を捜索されたという方がおられます。その時には何もなかったということですけれども、今回こうやって骨が見つかったということです。もし流されてきたのであれば、この沢の頂上辺りに何らかの形で移動されてきて、それが大雨や台風で流されたという可能性があるので、もっと点在している可能性もあります。

さらに、この見つかった骨の司法解剖の結果、分かっていることもあるだろうとは思うのですが、遺体をもしかしたら分散して色々なところに埋めているという可能性もあるので、沢山の警察官でもっと広範囲に調べていかなければ、中々見つからないのではないかなと。

それと沢の一番下のところの林道で一番最初に見つかったのが、後頭部の骨なんです。その林道の下が道志川で、ここは断崖絶壁で100mぐらいの高さがあります。流された勢いで、道志川の方にも落ちてしまっている可能性があるので、そこもきっちりと捜査をしていかなければならないのではと思います。