「最初に狙われる…」自衛隊配備の島に忍び寄る有事の影 沖縄復帰50年の今も戦争への恐怖と隣合わせのまま

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2022年5月14日 (土) 12:07

戦後27年間、アメリカの統治下にあった沖縄が本土に復帰してから50年。沖縄には復帰と同時に自衛隊が配備され、今では「重要な防衛拠点」とされています。ウクライナ情勢もあり、緊張の高まる最前線を取材しました。

■「F-15」緊急発進 過去2番目の多さの原因は?

F-15戦闘機の中から撮影


自衛隊は、外国機が日本の領空侵入の恐れがある場合「F-15戦闘機」で緊急発進し対応します。

航空自衛隊那覇基地 浦祐眞 1等空尉
「最大速度は音の約2.5倍、時速で3000km近く出すことができます。高度は規則で5万フィート(1万5000メートル)までと決まっていますので、それ以下での訓練を計画します」

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高度1万5000メートル近くまで到達すると、宇宙空間のような空を見ることができます。

統合幕僚監部によると、2021年度の緊急発進の回数は、▼全国で1004回と過去2番目の多さ。中でも、沖縄からの出動は6割以上を占めます。原因は・・・

沖縄からの緊急発進は6割以上を占める


航空自衛隊那覇基地 浦祐眞 1等空尉
「この辺りは、中国機がほぼ占めている状況です」

防衛省は「中国が情報収集とみられる活動を活発化している」と分析。台湾有事などが懸念される中、沖縄は重要な防衛拠点なのです。

■“沖縄の自衛隊” 県民の反応は?


そもそも“沖縄の自衛隊”は、50年前の1972年、本土復帰の際にアメリカ軍から基地を引き継ぎ、初めて配備されました。

しかし、沖縄戦を経験した沖縄県民は、軍に強い拒否感を抱いていて、自衛隊配備に対して大規模な反対運動を実施。

当時の反対運動の様子


沖縄県 屋良朝苗知事(自衛隊移駐直後1972年)
「自衛隊も、軍隊に違いないと思うのです。だから、その軍隊を沖縄に急いで配置することに対して、これは理解する、同意する、賛成する、というわけにはいかんと」

配備から50年。県民の反発も薄れてきている中、政府は、沖縄の離島を中心に陸上自衛隊の配備も推し進めています。そして、有事の際、最前線となるのが・・・

記者
「日本の最も南にある与那国島です。西の方向、100キロメートルほど行った先に台湾があり、日によっては肉眼で台湾が見えるといいます」

空気が澄んだ日には、台湾の影を見ることができます。

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2016年、与那国馬が道路を歩くすぐそばに、陸上自衛隊の駐屯地ができました。配備の話が出た当時、反対する声も多くありましたが・・・

与那国町 糸数健一町長
「自衛隊反対という人は、今はほとんどいないと断言していいのかなと思っています」

■「有事の最前線」としての沖縄が抱える恐怖


与那国駐屯地の主な役割は、「国境周辺の監視」です。レーダーを使って24時間、中国軍の船や戦闘機などの警戒にあたっています。

一方、与那国島の漁協には国から“ある通達”が届くといいます。

与那国町漁業協同組合 嵩西茂則組合長
「関係漁船に対する注意喚起をお願いしますと」

水産庁からの通知


台湾軍が、与那国島周辺海域で軍事演習を行うため、漁船に危険を知らせる水産庁からの通達です。
4月は、月の半分以上で注意が呼びかけられました。

有事の影が忍び寄る中、さらに、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、こんな不安も・・・

与那国町漁業協同組合 嵩西茂則組合長
「自衛隊基地があると、与那国島が最初に狙われるのではないか。また、ウクライナを見ても、ロシア軍は戦闘基地をたたいているわけだから、その恐怖は徐々に抱き始めていると思っています」

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本土復帰から50年。有事の最前線として、その役割が重くのしかかる沖縄。今も戦争への恐怖と隣り合わせのままです。