2025年に“大停電”の可能性も「大規模な太陽フレア」でスマホ、GPS、カーナビが繋がりにくくなる? 私たちの生活への影響は【Nスタ】

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2022年6月23日 (木) 22:45

太陽の表面で起きる爆発現象「太陽フレア」。最悪の場合、携帯電話が2週間使えなくなるといった被害想定を総務省が公表しました。2025年に大規模な太陽フレアが起こると、私たちの生活に様々な影響があるといいます。一体どんな影響が出るのか、私たちはどんな備えができるのかなど、専門家を交え解説します。

■「太陽フレア」スマホ使えなくなる!? “最悪のシナリオ”対策は?

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ホラン千秋キャスター:
今日は太陽フレアについて見ていきます。太陽で起こることなんですが私たちが住む地球にも影響があるということです。太陽フレアというのは、太陽の表面で起こる爆発現象です。そしていくつか周期があるようなんですが太陽の活動が活発になると、大規模な太陽フレアが起こるということです。

太陽フレア自体は特別な現象ではないんですが、これが2025年ごろ大規模な太陽フレアが起こると、電磁波などそこから大量に届く粒子などがあるそうなんです。これが私達の生活に影響を及ぼすと。大規模でなければ、オーロラを見せてくれるなどもあるんです。

では大規模な太陽フレアが起こると、最悪の場合、一体どういうことが起きうるのか、総務省が発表を行いました。

例えば、スマートフォンが通信・通話両方で使えなくなる恐れがあります。これは大変不便なことが起きそうですし、私達の命にも関わることがあるかもしれません。防災行政無線や消防無線などが使えなくなる可能性もあるわけです。さらに発電の過程にも影響を及ぼす可能性があり、広い範囲で停電が起きるかもしれません。

GPSやレーダーなどにも影響を及ぼすので、航空機や船舶など、運行が困難になることもあり得ます。GPSがうまく作動しないと、カーナビなど数十メートルの誤差が生じ、衝突事故が発生するかもしれません。最悪の場合、2025年に2週間程度、断続的に継続するかも知れないということです。

通信が繋がったり繋がらなくなったりを繰り返しながら2週間というふうになると、かなり大変そうです。ただ2025年に起こると分かっているなら、何か対策できないのか?

■スマートフォンが、GPSが、カーナビが使えない可能性・・・対策は?

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ホランキャスター:
この太陽フレアというもの自体、危害要因自体を低減することは困難だと総務省は発表しているんです。なので太陽をコントロールすることはできない。対策できるのは私達の側ということで、“社会インフラ側の脆弱性を低減することで、被害を最小限化する必要がある”と話しています。企業に求められる対策は被害の事前想定を行って、電気であれば備蓄しておく・代替手段の確保などが重要だと話しています。

井上貴博キャスター:
なかなかこのニュースに実感を持つことはできないんですが、NICT情報通信研究機構 宇宙天気予報グループグループリーダーの久保勇樹さん、2025年に大規模な爆発をする恐れがある、ここまでピンポイントに予測することができるんですね。

NICT情報通信研究機構 久保氏:
太陽活動というのは約11年ぐらいの周期で活発になったりしています。前回の活発な時期が、大体2014年ぐらいだったということを考えると、大体2025年ぐらいが次の活発になる時期だというふうに考えられます。

井上キャスター:
そうすると過去のその周期でやって来ているときに、地球への影響というのはどういったことがあったんですか。

NICT情報通信研究機構 久保氏:
前回の太陽活動の極大期、活発な時期は、太陽活動自身はそれほど強くはなかったんですね。ですので2014年頃の極大期はそれほど大きな影響は出ていませんでした。

井上キャスター:
過去のものよりも今回は最悪のシナリオになりうるという、アメリカも2015年ぐらいに国を挙げて国家戦略策定しているようですけど、過去のものとは違うという認識なんですか。

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NICT情報通信研究機構 久保氏:
前回の周期に比べてどのぐらい大きくなるかというのはまだ研究段階ですが、前回の周期と同じという人もいるし、それよりも大きくなるという人もいます。そこはまだ分かりませんけれども、実は22年ぐらい前の周期の2003年頃には、結構大きな太陽フレアが起きて我々の生活に影響が出ていたことが分かっています。そういうことを考えると、次の2025年に起こってもおかしくないのかなと考えられます。

井上キャスター:
ちなみにその時はどんな影響が出たんですか。人体への影響とかないんですか。

NICT情報通信研究機構 久保氏:
地上に住んでいる人間にとっては特に大きな影響は出ないんですけれども、2003年頃はですね、実はスウェーデンとかで停電が実際に起きていたことが指摘されていました。それから人工衛星の方も誤動作が起こっていたということもわかっています。

ホランキャスター:
過去にどんなことが起きたのかというのをいくつかご紹介していきます。
▼1989年にカナダのケベック州で、電力設備が故障して、大規模停電になり、約9時間停電が続いて、600万人に影響が出るということがありました。

そして大規模な太陽フレアではないんですけれども、太陽フレアの影響ですね。
▼2022年2月です。アメリカのスペースX社が打ち上げた人工衛星49基のうち、太陽フレアにより40基以上が機能停止。その後復旧せずのものもありますし、どこに行ってしまったかわからなくなるものもあるということです。普段から太陽フレアで影響を受けることがあると思います。

■「太陽フレア」9時間の大規模停電 「宇宙天気予報士」制度を創設

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ホランキャスター:
こういうことが起きたときにどうすればいいのか、そしていつ起こりそうなのかというのを私たちに伝える上で重要なのが「宇宙天気予報」というものです。1988年から「宇宙天気」というものは、予報が開始されているんです。そして2019年にはこの監視というのが24時間体制になりました。

基本的には太陽でどのような活動が行われているのか、太陽フレアを観察する。この宇宙天気予報という部分に関して総務省が、「宇宙天気予報士」という制度を創設することを提言しているんです。民間資格として登録・認定する仕組みを具体化すれば「宇宙天気キャスター」など活躍に期待ができるのではないかということなんですね。

宇宙天気予報の中身「物理現象面」その現象の規模の大きさから、そこに新たにどれぐらい社会的影響を及ぼすのかに着目するのが大切だとしています。例えば通信レーダー、どれくらい障害があるのか、電力分野の被害がどれくらいあるのか、ここまで予防できればいいのではないかと変えていこうとしているんです。

井上キャスター:
実際アメリカやイギリスでも国家としての対応が練られている。萩谷さん、特に日本というのは人口密集の割合が世界でも有数と言われている。対策が急がれるとも言われていますね。

萩谷弁護士:
国として対策が必要だと思いますけど、つくづく人類の技術革新がもたらした自然災害だなと思います。100年前に同じ規模の太陽フレアが起こってもここまで大事にならなかったと思います。一つ久保先生に伺いたいんですが、先ほど人体にはそれほど影響がないということでしたが、例えばペースメーカーを埋めている方なども、特にご心配とかはいらないんでしょうか?

NICT情報通信研究機構 久保氏:
そこは心配していただかなくて大丈夫です。その影響というのは基本的には航空機乗っている人とかを除けば、地上にいる人たちには影響は出ませんので、安心していただいて大丈夫です。

井上キャスター:
国や自治体、企業の対応はあるでしょうけれども、個人個人としてできることは特にないということでしょうか。

NICT情報通信研究機構 久保氏:
宇宙天気の現象、例えば太陽フレア大きなものが起きたからといって、何でもかんでも怖がるということではなくてですね、どういう太陽フレアが起きても、我々の人間生活でどういう影響があるのかを理解して、正しく怖がる、正しく安心することが我々ができることなのかなというふうに思います。