開票が終わる前になぜ「当選確実」!? 投票の締切と同時に“当確ートウカクー”を出せる仕組みとは【参院選2022】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2022年7月4日 (月) 19:06
開票が終わる前になぜ「当選確実」!? 投票の締切と同時に“当確ートウカクー”を出せる仕組みとは【参院選2022】

衆院選や参院選などの投票が締め切られる午後8時。テレビなどでは一斉に「〇〇候補が当選確実」といった速報が流れます。でも投票は終わったばかりのはず。いったいなぜ「当選が確実」と言えるのでしょうか。

■そもそも“当確”とは何か

「当選確実」とは開票作業が始まる前や途中段階であっても、各メディアが独自の調査と取材を基に「この人が間違いなく当選する」と判断したときに報じるものです。略して“当確(トウカク)”と呼ばれ、投票が締め切られる午後8時に各社が一斉に報じ始めます。

そもそもなぜ、各社が競って当確を打つのでしょうか。「翌日になれば正確な結果が分かるじゃないか」という声もありますが、選挙は民主主義の根幹で、国の未来を左右します。なので、その結果を少しでも早く、正確に伝えることは報道機関の使命でもあるのです。もちろん、“誤当確”は絶対に許されません。

では当確をどのようにして打つのか。その判断材料は主に「投票日当日までの情勢取材」「出口調査」「束読み」の三つです。それぞれ解説していきます。

■聴衆の反応を見ることも・・・情勢取材とは

当確を打つための取材でまず私たちが行うのは、各選挙区の過去データの分析です。どんな候補が当選してきたのか、投票率はどれぐらいか、地域によって政党支持率の特徴はあるのか…。こうした基礎情報をふまえて、各候補の選挙事務所や政党などを取材し、投票率の見通しや重点地区などを聞いて回ります。さらに候補者の演説を聞きに行って話の上手さを確かめたり、スタッフの士気を見てみたりと、現場の「熱気」を量ります。こうした取材を積み重ね、選挙区の情勢がどうなっているのか輪郭をつかみます。

加えて欠かせないのは統計的手法に基づいた有権者への情勢調査です。「選挙区では誰に投票するか」「比例ではどの政党を支持するか」など得られたデータを取材情報と照らし合わせて、選挙の実態を浮き彫りにしていきます。かつては固定電話に電話をかけて調査するのが主流でしたが、自宅に固定電話を置かない家庭が増えたことで、どうしてもサンプルが高齢者へ偏ってしまいます。そこで、最近は携帯電話での調査やインターネット調査を併用する社が増えつつあります。

ただ、こうした取材だけで選挙情勢を把握するのには“限界”があります。なぜなら、「無党派層」=特に支持する政党がない有権者の割合が多いからです。業界団体や労働組合の活動が活発だった頃に比べて、「絶対に〇〇党・〇〇候補に入れる!」という人は減少していて、事前の情勢取材だけで正確な状況を把握することは難しくなっています。そこで大切になるのが二つ目の判断材料、「出口調査」です。

■最近はタブレット端末で「どの候補に投票しましたか?」

出口調査とは、投票所で投票を終えた人に「どの候補者・政党に投票したか」などを尋ねるものです。数年前までは紙に記入してもらい、それを急いで集計していましたが、最近ではタブレット端末を使用するメディアも増えています。

事前調査には「選挙に行かない人」も含まれているのでどうしても実態からズレが生じてしまいますが、出口調査は投票を終えた人が対象なので、より正確なデータを収集することができます。調査は投票日当日だけではなく期日前にも行っていて、これまでの情報と組み合わせることで「この候補は開票前の夜8時ちょうどに当確を打てるな」「この選挙区は想定外の激戦だから様子を見よう」などと判断することができます。

そして、事前の調査や当日の出口調査でも“激戦”でどっちが当選してもおかしくない…。そんな状況の時に参考とするのが「束読み」です。これはかなり独特です。

■双眼鏡とカウンターを手にして・・・

投票が締め切られた午後8時。地域の体育館などで開票作業が始まりますが、正式な票数が発表されるまでは時間がかかります。そこで、少しでも早く票数を把握して当確を打つために行うのが「束読み」です。

実は開票会場には参観席が設けられていて、そこに双眼鏡やカウンター、脚立などを持ったスタッフを派遣します。会場によってまちまちですが、実は候補者1人1人の票は、数百票ごとに束ねて票数を確定していくので、その束の数を数えることで大まかな票数がわかるのです!束の数を読む作業なので、そのまま「束読み」と呼ばれています。双眼鏡をのぞき、カチカチとカウンターで数えていく光景から、「バードウォッチング」と言われることも。体力的に大変な作業ですが、数えた票の数を報告してもらい、最終判断に用います。こうして得られた全ての判断材料をもとに、慎重ながらも正確に当確を打っていくのです。

独自の調査と取材などをもとにお伝えしている当確。私たちの頑張りの結果は、7月10日(日)午後7時57分からの、TBS系列「選挙の日2022」でぜひご覧下さい!
(なかなか当確が出ないときは、きっとスタッフが双眼鏡で票を数えています・・・)