小麦価格“据え置き”で家計負担2230円減?ベーカリーからは「値段上げづらい」の声も【ひるおび】

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2022年8月17日 (水) 15:33
小麦価格“据え置き”で家計負担2230円減?ベーカリーからは「値段上げづらい」の声も【ひるおび】

止まらない値上げラッシュ。食品価格の高騰を少しでも抑えるため、岸田総理は8月15日、輸入小麦の売り渡し価格の据え置きを指示しました。

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■岸田首相「高騰は切実」小麦の“売り渡し価格”据え置きへ

岸田首相(8月15日):
日常の生活に欠かせないパンや麺類などの製品価格の高騰は切実です。
野村農水大臣には、輸入小麦について、10月以降も政府から国内製粉会社への売り渡し価格を据え置くよう指示をいたします。

小麦の「売り渡し価格」とは何なのでしょうか?まずは小麦の流通過程を見ていきます。そもそも、日本で流通する小麦の約9割は、海外からやってきます。政府が買い付けを行い、製粉企業への「売り渡し価格」を決定。買い取った製粉企業からパン・麺メーカーへ卸され、最終的に消費者のもとに届きます。

政府の売り渡し価格は、2019年10月(4万9890円)から下がったり上がったりを繰り返し、2020年10月以降は右肩上がり。私たちの手元に届く小麦粉・食パン・ゆでうどん・スパゲッティなどの小売価格にも大きな影響が出ています。このままいくと2022年10月には20%程度上がり、1トンあたり8万7000円くらいになる見込みでしたが、今回政府は据え置きを決定したということです。

■“安さがウリ”のベーカリー 小麦だけの対策では「焼け石に水」

あんぱん140円(税込)、ツナマヨコーンパン159円(税込)など、商品の8割が100円台という、安さと味がウリのベーカリーも、4月から15%程度の値上げを余儀なくされています。

1年前と比べて、小麦の仕入れ値が1.5倍値上げ。さらにパンに使われるフルーツ、ナッツ、砂糖の仕入れ値は1年前と比べ3割上がり、バターは2倍に上がりました。

ーー今回の小麦価格据え置きについて

コミネベーカリー 小嶺忠オーナー:
他の主原料が上がっちゃってますから、(小麦の価格据え置きは)焼け石に水状態ではありますね。政府に「小麦の価格据え置きだよ」って言われちゃうと、(パンの値段を)上げたくても上げられないですよね。上げづらいですよね。

恵俊彰:
「据え置きだから何とか助かりました」という意見が聞かれるかと思ったらそうじゃなくて、他の原料が上がってるから本当は値上げしたいんだけど、こんなこと発表されちゃって逆に上げづらくなっちゃうって。

コメンテーター  トラウデン直美:
値上げができなくなっちゃうという八方ふさがりになって本当に苦しいなと思います。でも、消費者側もやっぱり値上げはきつい。誰もがどっちにも行けない大変な状況ですね。

■小麦価格据え置きで家計負担はどのくらい減るのか?

小麦の価格が維持された場合、2022年度の後半では、1世帯当たり2230円ほど家計の負担が減るという試算があります。

しかし、物価高全体を鑑みると、食料やエネルギー費、家事用品などが上がっているので、全体の平均としては7万8480円負担が増すというデータもあります。

みずほリサーチ&テクノロジーズ 酒井才介主席エコノミスト:
9月以降も幅広い品目の値上げで家計の負担が増してくる。何かしらの対策が必要ではないか。

値上げする食品の数は右肩上がりで、2022年10月には8000品目を超えるとみられています。1月〜8月で1万品目上がっていますから、さらにプラス8000ということになります。

恵俊彰:
10月から。また上がるってことでしょ。8000品目!?困りましたね。

ーー家計負担を減らす対処法は?

みずほリサーチ&テクノロジーズ  酒井才介主席エコノミスト:
▼家庭での食品ロスを削る
▼「訳あり食材」を賢く購入して節約
など、支出のメリハリをつけて工夫することが重要。

弁護士  八代英輝:
GDPが年率換算で2.2%伸びたと政府が発表したんですが、結局それって円安の効果が、物価高やいろいろなものを考慮しても、輸出産業的に上回ったってことなんですよね。でも政府が一番気にしているのは、この先の消費者の心理の冷え込み、“買い控え”。ガソリンや小麦などのコントロールできるものについてはできるだけ抑えたいというのが政府の方向なんだと思います。
でも、賃金を上げるのが“待ったなし”だと。小麦や原油ガソリン価格を据え置くんじゃなく、とにかく賃金を上げる方向性で政府は動いてほしい。

恵俊彰:
収入が上がってこないとどうしようもないもんねこればっかりは。

(ひるおび 2022年8月16日放送より)