「また髪が抜けちゃった…」息子が“コロナ感染”の医師が警鐘  子どもの“コロナ後遺症”どんな症状が?

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2022年8月17日 (水) 23:27

コロナに感染した後、何らかの症状が続く“コロナ後遺症”。咳や頭痛、微熱だけでなく、「脱毛」や「意識もうろう」という報告も。当初は“コロナ後遺症”に「懐疑的だった」という医師は、息子の感染をきっかけに「直視せざるを得ない」と警鐘を鳴らします。

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■17人に1人の子どもに後遺症 3歳男児「また髪が抜けちゃった…」

上村彩子アナウンサー:
新型コロナウイルスの後遺症について詳しくみていきます。
アメリカやカナダの研究チームが7月に発表した内容では、新型コロナウイルスに感染した子ども5.8%、約17人に1人にコロナウイルスの後遺症がみられるということなんです。

では、実際に日本で後遺症に悩むお子さんたちの事例を見ていきましょう。

まずは2022年3月に感染した▼3歳の男の子です。
どんな後遺症かといいますと、脱毛なんです。5月の写真と比べてみると、頭皮が見えるほどに髪の毛が抜けてしまっていることがわかります。

男の子の母親に本人の反応について聞いたところ、「保育園で寝具についた髪を『また抜けちゃった』みたいな感じで集めていた」ということなんです。

■14歳の中学生「ウトウトしちゃう」コロナ後遺症は“精神論”?

続いて、2月に感染した▼14歳の中学生の男の子です。
喘息のような咳、微熱、頭痛、腹痛、倦怠感、そして頭に霧がかかったような状態になる“ブレインフォグ”などがあるといいます。

ブレインフォグ症状について聞いてみました。頭が真っ白になり、自転車をこげないこともあるそうです。目は見えているけれど、意識が朦朧として、ウトウトしちゃう感じといいます。


周囲の反応について、母親に聞くと「学校側も後遺症の扱いがわからなかったのだと思うが、あまりにも休みが続いてしまったので『気の持ちようだよ』と“精神論”を言われてしまった」ということなんです。

■「直視せざるを得ない」後遺症に“懐疑的だった”医師にも変化

このように後遺症に対しての理解がなかなか進んでいない状況で、実際、ひなた在宅クリニック山王の田代院長も、当初はコロナウイルスの後遺症に懐疑的だったそうなんです。しかし、変化がありました。

というのも、往診患者の約10%が、療養期間が終了して酸素飽和度が正常に戻った後も、強い倦怠感や咳が続くなど体調不良を訴えているということなんです。

田代院長のご家族、3歳の息子さんも7月31日に新型コロナウイルスに感染し、自宅療養していました。療養期間が終了した後も食欲がない、そして外出を嫌がるということがあるそうなんです。

ひなた在宅クリニック山王 田代和馬院長:
インフルエンザや風邪は、治ってからぐったりするようなことはほとんどない。患者さんや息子の様子を見ると、コロナウイルスの後遺症を直視せざるを得ない。

■“コロナ後遺症”大人と子どもで発症する割合違う?高齢患者の約10%が後遺症に悩む現実も

ホラン千秋キャスター:
後遺症については以前から指摘はあったと思うんですけれども、割合として子どもと大人を比べるとどちらが多い少ない、同じなのか、何か気づかれることはありますか。

田代院長:
割合としては、私は子どもをあまり診ておらず、自分の息子ぐらいなので。うちの息子もいつもとても元気なんですけれども、療養期間を終えた後も活気が落ちて、食欲がなくなって、いつもと全然違う状態が数日続いてしまいまして、やはり子どもにも起こるんだなと。
そして高齢者に目を向けますと、私の経験で言うと10%、これはかなり高い数字だなと思っていまして、それまで元気だった方が寝たきりになってしまうような、そういった状態を見てますので、かなり厳しい現実だなと。後遺症の存在はやっぱり直視せざるを得ないなと感じています。

ホランキャスター:
もちろん人によって違うんだと思うんですけれども、コロナ自体との戦いと比べても後遺症との戦いの方がより長くなってしまう傾向にあるんでしょうか?

田代院長:
そうですね。私の患者さんでも、10日間の療養期間を終えた後、10日以上ぐったりして点滴をしたりして、とにかく脱水にならないようにし、すごく食欲がなくなってしまう方が多いので。その後も長い対応というか、立て直しの治療にすごく時間を要するような状況ですね。

井上貴博キャスター:
後遺症というのは分からないところがまだ多くあると思うんですけど、理論的にはどういうものなんですか?ウイルスがまだ残っているのか、はたまたウイルスじゃないんだけどその部分を傷をつけてしまってるのかなど、どういうふうに理解すればいいでしょうか?

田代院長:
それに関する学術的な見解というのは、まだしっかりとしたものはないと思うんですけども、全体の印象として非常に消耗が強く、とにかくぐったりして、でも血の検査をしても、どこどこに異常はないんだけども、脱水症だけあるというような、かなり強い倦怠感を背景として経口摂取が低下して、低血糖を起こしたり、脱水症状になったりとそういった方が多いのかなと高齢者では感じています。

井上キャスター:
人によってどこに出るかはまちまちという中で、例えばワクチンを打っていると症状が緩和するだとか、今わかっている、でき得ることというのは何か我々にあるんですか?何もないんですか?

田代院長:
やはり僕の肌感覚でも、ワクチンを3回打たれてる方は比較的軽く終わって、そういったぐったり感も少ない方もいらっしゃる一方で、ワクチンを3回打っていてもぐったりされる人はやっぱりされてしまうので、何か体質的なものとの関連があるのかなというふうには疑っています。

井上キャスター:
現状、治療法としては対症療法ですか?風邪薬とか。

田代院長:
そうですね。点滴をして脱水を改善させたり、栄養剤を注射するとか、そういった対処療法がメインになっています。

井上キャスター:
でも、この症状の出方というのは他の病気とは違うと考えた方がいいわけですね?

田代院長:
やはり、かなりコロナによる消耗は強いなというふうに実感しています。他の病気とはちょっと違うなという印象です。