メダカ人気急上昇の裏で悪質手口も横行 ネットで買ってみたら違うメダカが…「これは完全に意図的なだましです」『メダカの闇』に迫る

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2022年9月23日 (金) 06:09

手軽に飼えるということで人気が急上昇している「メダカ」。一方で、高価なメダカの売買を巡ってトラブルや悪質な販売も起きています。「メダカの闇」を追いました。

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■専門店が続々…メダカブームの裏で 購入者が語る「メダカの闇」

9月10日の栃木県南地方卸売市場。多くの人でにぎわっています。売られているのは野菜や果物ではなく“メダカ”です。開かれていたのは「めだか市」です。

めだか市に来た人
「買いたいなと思ったのだけど、迷っていたらやっぱり売られていっちゃった」

品種改良されたいわゆる「改良メダカ」。見た目のかわいらしさや自宅で手軽に飼えるということなどから人気が急上昇。現在800種類もいるといわれています。こうしたメダカの飼育は“メダ活”と呼ばれ、人気となっているのです。こちらの男性は…。

めだか市に来た人
「(購入したメダカの)総額はたぶん1万円は超えていると思います。今日、本当は会社があるんですけど、有休をとって」

都内でもここ数年でメダカ専門店が次々とオープン。「目高工房江戸」では120種類以上のメダカを販売。生産者から直接買い付けることで希少な品種を安い値段で販売しているといいます。

全体にラメが入りキラキラと輝くメダカ。その名も「ヒミツヘイキ」。そのお値段なんとペアで7万円です。さらに、別の店では過去にとんでもない値段がついた「琥珀透明鱗スモールアイサムライメダカ」、こちらはお値段100万円です。

■“メダ活”の男性「だまされた感覚」 高価なメダカと信じて購入

しかし、人気の陰でこんな被害も。メダカ無人販売所の防犯カメラ映像です。男が辺りを物色。人気品種のメダカを水槽ごと持ち去ったのです。取材を進めると、多くの人から聞こえてきたのは…。

めだか市に来た人 
「なんか怖いので。『闇』とかよく聞くので」

目高工房江戸 田中明里奈 代表
「周りには被害にあっている方はすごく多いです。メダカの闇です」

「メダカの闇」とは…取材班が出会ったのは趣味で1000匹以上のメダカを育てるAさん。ある方法でメダカを手にいれているといいます。

趣味でメダカを飼育 Aさん
「インターネットでフリマサイトとかそういうのを利用して購入しています」

売られていたのはメダカの卵。携帯で手軽に購入できる便利さなどから多くの人が利用しているといいます。

Aさん
「ここ(容器)の中に卵が10~20個入って(自宅の)ポストに入ってきます」

Aさんも今年7月、フリマサイトで「ブラックダイヤ」という品種と「アイスブレイク」という品種、2種類の品種の卵を約2000円で購入しました。しかし、ここに「メダカの闇」が…。

Aさんは購入した2種類の卵を育てましたが、育ったメダカはすべて同じもの。さらによく見てみると…。

Aさん
「ブラックダイヤでしたら真っ黒のボディに銀色のラメが入るのですが、全然黒くないです」 

実際のブラックダイヤと比べても、その色は違うように見えます。さらに、アイスブレイクの特徴とされる「ヒカリ体型」。背びれと腹びれが同じ形のものをいいますが、育ったメダカにはヒカリ体型の特徴はありませんでした。

メダカの販売店で見てもらうと…。

堀切めだか 兵頭秀一 店長
「どっちの特徴も微塵もないです。似てすらいないです。これは完全に意図的なだましですね」

Aさんが購入した卵はほとんどがふ化しましたが、ふ化したすべてのメダカにそれぞれの特徴はありませんでした。また、別の販売店に聞くと、このような品種が判別できないメダカの卵をフリマサイトで販売しても、格安でも売れない可能性があるといいます。

■取材を試みるもブロック…販売者は今も平然と

実は今、偽物の卵を送りつけているとみられるトラブルが相次いでいるのです。

Aさん
「楽しみに育てていましたので、だまされたっていう感覚が1番はじめに。なにかの間違いであってほしい」

Aさんはフリマサイトを通じて販売者にメッセージを送りましたが、返事はなし。Aさんがメダカを購入したアカウントは今もフリマサイトでメダカの卵の販売を行っていました。

評価のページを見てみると高評価がついています。しかし、このフリマサイトでは購入者が数日以内で評価をつけるのが一般的。これにより評価のほとんどが「届いた卵の状態」の評価となり、「数か月後育ったメダカの評価」は反映されづらくなっているのです。Aさんも一見して評価が高いことを信じて購入してしまったといいます。

メッセージを送 り取材を試みましたが、途中からブロックされやりとりができなくなりました。

アカウントは匿名。発送地も細かい住所の記載はなく、連絡手段はこれ以上ありませんでした。トラブルが相次いでいる背景は…。

メダカの市場・販売に詳しい堀切めだか 兵頭秀一 店長
「市場が大きくなっているからということです。(メダカの買い手は)老若男女、全部なのです。どこにも偏りがない」

背景には急上昇するメダカの人気。さらに…

堀切めだか 兵頭秀一 店長
「育てやすいし、繁殖させやすい。ベランダ一つでメダカつくってネットオークションでうまいこと売れば月に2、3万を稼ぐことはそんなに難易度は高くないです。副業レベルでの参入障壁はものすごく低い。(大事なのは)顔の見える生産者から買うということです」

刑法に詳しい弁護士は、仮にフリマサイトなどを通じて意図的に偽物のメダカの卵を販売した場合、詐欺罪に該当する可能性があると指摘しています。