「氷山の一角が世間の目に触れた感覚」神道政治連盟が配布した“LGBTQ冊子”に神社で働く当事者らが意見書

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2022年11月25日 (金) 12:33
「氷山の一角が世間の目に触れた感覚」神道政治連盟が配布した“LGBTQ冊子”に神社で働く当事者らが意見書

「#神道政治連盟のLGBTQ差別に反対します」先週、神社で働くLGBTQ当事者らがSNSに意見書を投稿しました。

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きっかけは2022年6月、神道政治連盟が国会議員懇談会の会合で配った冊子。大学教授らの講演録や論考が複数掲載されているもので、その一部には同性愛について「後天的な精神の障害または依存症」と記されています。意見書を取りまとめた神社関係者3人にその思いを聞きました。

■「そもそも神道は同性愛・同性婚を禁じる考え方?」「ないです」

LGBTQ当事者 神社関係者Aさん
「ないです。そういう考え方は」

LGBTQ当事者 神社関係者Bさん
「異性愛規範であったり家父長制度であったり、古いものが伝統という言葉にくるまれて続けられてしまっている。 

LGBTQ当事者 神社関係者Aさん
氷山の一角が世間の目に触れたという感覚。とうとうここまで来たかという感じはありましたね」

インタビューに答えたのは神社関係者で性的マイノリティ=LGBTQ当事者の3人です。

11月14日、3人を含む神社関係者たちはSNSに意見書を投稿しました。

神道LGBTQ+連絡会のツイッター
「#神道政治連盟のLGBTQ差別に反対します」

神道政治連盟は、全国各地の神社を傘下におさめる神社本庁の関連団体。

投稿のきっかけとなったのは、2022年6月、この連盟が国会議員懇談会の会合で配った冊子でした。

大学教授らの講演録や論考が複数掲載されているもので、その一部には同性愛についてこんな見解も記されています。

配布された冊子
「同性愛は先天的なものではなく、後天的な精神の障害、または依存症です」

「依存症から抜け出すことは可能なので、同性愛からの回復治療の効果が期待できるのです」

冊子は会合に参加した国会議員たちに配られました。

LGBTQ当事者 神社関係者Aさん
「すべての内容が差別的だし問題がある内容だなと思ってる」

LGBTQ当事者 神社関係者Bさん
「正直こういうふう差別的な冊子が出てくることに対して驚きはなかったですね。そういう流れや空気が神社界にはずっとあったものだったので」

山本 恵里伽キャスター
「そもそも神道という考え方として同性愛であったり同性婚を禁じるという考えなんですか?」

LGBTQ当事者 神社関係者Aさん
「ないです。そういう考え方は」

LGBTQ当事者 神社関係者Bさん
「異性愛規範であったり家父長制度であったり、古いものが伝統という言葉にくるまれて続けられてしまっている。神道=LGBTQ差別であったりそういったものが続いてしまっているのだろうと」

“全ての人が安心してお参りできる神社でありたい”

3人はほかの神社関係者たちにも差別反対の意思表明を呼びかけています。

LGBTQ当事者 神社関係者Aさん
「我々の都合で祈れる人を選ぶようなことがあってはならないですし、
どなたでもお参りされるような場に神社を戻していきたいと思っています」

LGBTQ当事者 神社関係者Cさん
「どうか人に寄り添った存在になれるように、今後もたくさん社会は変化していくと思うので(各神社には)その度に考え続けてほしい」

冊子の内容は神道政治連盟として賛同するものなのか、news23の取材に対し神道政治連盟はこう回答しました。

神道政治連盟
「この内容が本連盟としての見解であるということはありません。したがって、本連盟として賛同するか否かをお答えする立場にありません」

また、いま冊子は配布していないということです。

同性愛について講演を行った大学教授にも取材を申し込みましたが回答はありませんでした。

■成田悠輔さん「言葉というのはすごく強力」「ちょっと油断すると予言の自己成就」

米イェール大学助教授 成田悠輔さん:
あまり科学的な根拠がそんなにない差別だというふうに、ここまで批判されてきたことを、また繰り返されているっていう感じがすごくしますよね。

これだけ見るとただの冊子で、ただの言葉というふうに小さく捉えることもできてしまうような気もすると思うんですよ。

ただ実際、言葉っていうのはすごく強力で、世界を見渡してみると今でもLGBTQの方に対して本当に弾圧をしていくようなことをしてる国ってまだまだたくさんあるわけですよね。日本はそういう状態にまだなってないですが、ちょっと油断していると、あっという間にその言葉がそのまま予言の自己成就のような形で、実際にマイノリティの方の生活を脅かすようなことになる可能性も常にあるということを心に留めておくことが大事だと思います。

そのためにも、当事者の方が発している声を拾い上げて、それを反復したり大きく拡声器のような形で広げていくっていう役割を、メディアとか私達自身が担うことが大事なのかなと思いますね。

小川彩佳キャスター:
冊子自体が配られたのは6月のことで、その時も批判が大きく上がりましたけれども、今回また当事者の方が声を上げた。これも一つの反復なのかもしれないですね。