イチロー氏、静岡の富士高校で指導 感激する生徒に「思い出作りではないよ(笑)」「苦しくなったらこの日を思い出して」

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2022年12月4日 (日) 18:42
イチロー氏、静岡の富士高校で指導 感激する生徒に「思い出作りではないよ(笑)」「苦しくなったらこの日を思い出して」
イチロー氏(49・マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が12月3日・4日の2日間、静岡県立富士高等学校を訪れ、野球部の生徒たちに直接指導を行った。高校生を指導するのは、2020年の智弁和歌山、21年の国学院久我山、千葉明徳、高松商、今年の都立新宿に続いて6校目となった。

先週の都立新宿に続く訪問となった富士高校は今年創立100周年を迎え、県内トップクラスの進学率を誇る進学校。野球部は過去に79年の夏の甲子園、87年の春のセンバツと2度甲子園に出場している。直近の秋季大会では地区大会2回戦で敗退。

◆突然のイチロー氏訪問「全然想像してなかったの?」

練習前のミーティング中に、「はい、こんにちは」とグラウンドに現れたイチロー氏は、「えっ」と驚く生徒たちを前に「全然想像してなかったの?初めましてイチローです」と挨拶。「先週僕が新宿高校行ったの皆知ってる?今週は富士高校に。これはみんなからリクエストされた訳でもなく、監督からリクエストされた訳でもなくて、皆が地域の子供たちに野球の普及活動として熱心に取り組んでいて、これからも続けていくと。さらに勉強やりながらも野球頑張っていると聞いたんで、ちょっと一緒に練習をやってみようかと。まあそんな感じ」と訪問の経緯を伝えた。

「通常プロ野球選手になりたいっていう高校生が多いんだけれど、特に名門校に。ただみんなの場合は社会人になって、どんな世界に進むかわからないけれども、リーダーとして地域に還元する、戻ってくるという、そんな目標があるというふうに聞いてきました。何ができるか分からないけど一緒にやってみましょう」と生徒たちと練習を始めた。

◆“イチ流”のバッティング指導

「チャンスで打てる秘訣は何ですか?」と聞かれたイチロー氏は「チャンスで打てる秘訣?頑張れ(笑)」と生徒を少し困らせながらも「僕が高校生のときはね結構上手くて(笑)、当時は“あっまたここで打点稼げる”と思っていたし、ただプロではそうはいかないからね。これはどこの高校に行っても聞かれるんだけど、そんな魔法みたいなことはないし、自分で結果出して自信をつかむ」と早速の“イチ流”アドバイス。

「打席に入るまでの自分の動き、自分のリズムを作って打席に入れるかはすごく重要で、自分の形、自分の呼吸とか間合いはすごく大事で有効。打席に入ってからが勝負ではなく、そこに入るまでに自分のリズムで入っていくことは重要なポイント。これ、必ずみんなに伝えます。がんばれ!」と肩をたたいた。

さらに左打者の生徒には逆方向に打つコツや、上半身の使い方など実際に動きを見せてレクチャー。「上半身は回すというよりも勝手に回るというイメージ。手は使いたくないのね。こういうイメージ、これ(左肩指して)出さない。身体を振らない。プロ野球選手でも実は多いんだけど上半身は振らない」と繰り返し打撃のイメージを伝えた。

◆「投げるところを見てほしい」

2日目はフリー打撃や外野での守備練習などを行った。前日に「ブルペンで投げるので見てほしい」と“お願い”した水越壱成くんは、イチロー氏の前でピッチングを披露。「おおナイスボール。これはものにしたいね」と高校時代に投手経験がある“大先輩”を驚かせた。その後は、実際にイチロー氏がバッターボックスに入る場面も。数球投げたあと、ボールの握り方などのアドバイスを受けた。

◆熱血ノック「僕の体力が続く限り」

この日の最後はイチロー氏による内野ノックが行われた。「僕の体力が持つ限りやろうか」と“全力宣言”のイチロー氏は、「前へ前へ」と大きな声で生徒らを鼓舞し、「ね。全然ボール怖くないでしょう」と積極的にボールに向かう大切さを伝えた。

生徒たちも含めヘトヘトになりかけ、イチロー氏が「何時いま?」と残り時間を確認し「あと10(回)です、手加減しないよ」と最後の力をふり絞る。少し涙目になっていた生徒(富永大輝くん)に笑顔で「しんどいよな」と声をかけた。

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◆しんどすぎて泣いてるのかと思った(笑)

富永くん:
しんどいですけど。嬉しすぎてちょっと(涙)。

イチロー氏:
それでなんだ。やーいいね。

富永くん:
いい思い出になりました。

イチロー氏:
いやいや思い出違うから(笑)。頑張れ、頑張るためにこれやってるんだから。しんどくなったら思い出して、もう一歩前へ。

富永くん:はい。

イチロー氏:
かわいいかわいい、いいね。でもしんど過ぎて泣いてるのかと思った。そういうことだったんだ、いいねー。でも思い出作りではないよね(笑)。

最後まで大きな声を出して全力でノッカーを務めたイチロー氏。球児たちと2日間の濃密な時間もあっという間に過ぎた。

「最初会った時と全然感じが違うね。みんなもそれ感じてるでしょ。声出して、みんなで励まし合って。チームな感じするでしょう。この感じ忘れないで。苦しくなったらこの日のことを思い出して」と言葉をかけた。

「将来リーダー目指してるんでしょ。頑張らないと人はついてこないし、楽してそれは絶対にできない。将来の支えになるような瞬間を高校で経験して、壁に立ち向かっていけるように今日のこの日を忘れないで。大事な決断は自分でしてほしい、そうすればそこに責任を持てるし、それに向かっていってる姿を周りはみてるから」と熱いメッセージを送った。

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