【WBC】中居正広が栗山英樹監督に聞くヌートバー選出の裏側「最初あまり良い返事はなかった」

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2023年1月27日 (金) 05:09
【WBC】中居正広が栗山英樹監督に聞くヌートバー選出の裏側「最初あまり良い返事はなかった」

3月に開幕する野球の世界一決定戦「2023 WORLD BASEBALL CLASSIC」(以下、WBC)を戦う侍ジャパン。「侍ジャパン公認サポートキャプテン」への就任が発表された中居正広さん(50)が栗山英樹監督(61)と対談。ヌートバー選手選出の裏側やキャプテンについて聞いた。(全2回の第1回)

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世界一になるためのメンバー、選考過程での苦悩

中居さん:
今日の今日(1月26日)。先ほどお昼過ぎに侍ジャパンのメンバーが正式に発表されました。僕も以前、オリンピック、(世界野球)プレミア12など、監督にお話を伺うことがありましたが「代表選手を決めるまでが監督としては一番大変だった」と聞いたことがあります。

栗山監督:
本当に思っていた以上に悩みますし、難しかったですし「これ僕が決めていいのかな?」みたいなのが出てくるんですよ(笑)。

中居さん:
監督が決めていいんです(笑)。

栗山監督:
難しかったです。本当に悩みました。これは悩みというよりも、いい時間だと捉えてやっていて、物事って早く決めてテキパキやった方がいいって言われますが、今回は時間をかけて引っ張っていったことによってひっくり返った部分もあったので良かったと思います。

中居さん:
もう監督は優しさと誠実さが溢れ出てて、メディアの対応も、選手に対しての配慮もそうですし。今回の発表の時も決まった選手みんなに電話をして直接お話をされたと伺いました。これはやはり直接オファーをかけるべきと思ったからでしょうか?

栗山監督:
そうですね。僕がということではなくて、今回のWBCは非常に大きなものだと思っていたので、それを機械的に(オファーの連絡が)球団から聞くというよりも、「あー来たー」みたいな、そういう物語的に(選手に)残したいというのがあったので「自分で電話させてくれ」という感じです。

中居さん:
今回のメンバーの選考はどういう基準で選ばれたのか?コーチ、スタッフとも話し合ったと思いますが。

栗山監督:
基本的にはやはり日本が世界一になるのには、ピッチャー含めた“守り”だということで、とにかくいいピッチャーを選ぶ。それがベースでした。特にアメリカ(メジャーリーガー)を知っている選手を多めに入れたい。これはすごくありましたね。

中居さん:
アメリカのチームはやっぱりメジャーとの契約という問題がありますから、どこまで投げていいのか、何試合投げていいのか多分わからないです。そのあたりの兼ね合いって上手く進みそうですか?

栗山監督:
本当に今それをメジャーのチームと交渉していますが、多分思っている以上に進みそうな雰囲気はあります。

中居さん:
今の段階でもわからないものなんですね。

栗山監督:
わからないですよ。先発してほしいピッチャーもメジャーで中6日で回るのか、中5日で回るのか色々あるじゃないですか、チームによって事情が。例えば、(カージナルスのラーズ・)ヌートバー選手も最初あまりいい返事はなかったですよ。

中居さん:
チームの方から?

栗山監督:
はい。「何打席与えられるのか」とか、そういう細かい・・・

中居さん:
何打席与え・・・どっち側ですか?あんまり使わないでほしいということですか?

栗山監督:
いいえ。カージナルスからすると若くて、レギュラーにしたいので、公式戦が始まるまでにたぶん60打席とかきちんと与えて迎えたいとか。

中居さん:
えー。そっちの方ですか。

栗山監督:
ただこれは戦いなので、(先方には)約束はできない、と。ただ努力はします、と。そういう話をしたり、いろいろなやり取りがずっとありましたね。

一流選手が勢揃い!このチームにキャプテンは必要?

中居さん:
監督はペナントレースはもちろん戦った経験がありますが、国際試合の監督は初めてです。短期決戦で選手とのコミュニケーション、連携はどのように図りたいと思ってますでしょうか?

栗山監督:
本当に今回は一発勝負なんで、そこはもともと難しいと思っています。ですから作ろうとすることはしません。過去日本の先輩方が作ってきた見本をしっかりやり切るだけで、僕は選手を信じるだけなので、あんまり(チームを)作ろうとは思ってないですね。

中居さん:
ピッチャーで言ったらパーフェクト(完全試合)のピッチャーもいればメジャーのピッチャーもいれば、ノーヒットノーランのピッチャーも。三冠王もいれば首位打者も。やはりプライドもありますし、そこは鬼になって代えなければいけない時もあるでしょうし、僕は監督を見ている限り、本当に誠実さと優しさと熱さの固まりのような人だなと思うんですが、鬼になるときもあるんですか?

栗山監督:
鬼というよりか、ジャパンの試合は特に超一流の選手ばかりなので、勝たせてあげることが一番のプライドだと思っているんですよ。ですからダルビッシュ(有)投手に(WBCの)出場についての話をするときにも正直に言いました。「悪いんだけど、ダルビッシュが先発しました。初回、すごく調子が悪いです。初回に出てきて『ピッチャー交代』って言えるかどうかいつも考えているんだよね」ってダルビッシュにそのまま言いました。

中居さん:直でですか?

栗山監督:
はい。そしたら彼は笑いながら「代えてください」って言ってました。

中居さん:
こういうケースもあるんだということをお話されることが監督らしいですね。

栗山監督:
まあそうなのか、もしかしたらずるいのか。でも正直に言うしかないので、自分が考えているよりも選手と本音で話したほうが良いと。ですからなるべく伝えるようにしています。

中居さん:
今回は投手陣15人、野手も含め全部で30人です。キャプテンを立てようと思っていますか?

栗山監督:
えーと。最初はいらないかなと思っていたんですよ。ところがいろんな代表で戦ってきた方たちに聞くと、やっぱりコミュニケーションをとるには必要なのかなっていうのはありますので、合宿に入った時に選手たちにもう一回聞きます。「キャプテンは必要ですか」と。

中居さん:
えー。いたほうがいいかと。

栗山監督:
はい。それで選手たちがもし「いらない」って言うのなら「全員キャプテンの仕事してくださいよ」ということなので。それが理想かなと思うんですけど。ショートだったりキャッチャーといったポジションが一番適しているかなっていうイメージはあります。

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