軍事支援は新たな段階に進んでいます。アメリカとドイツがウクライナに対し、主力戦車の供与を発表しました。ウクライナのゼレンスキー大統領は感謝を述べた上で、今後、その「スピードと量」が重要になると主張しています。一方で、戦車がウクライナに到着するには数か月かかるとみられますが、戦車の投入で戦況はどのように変わるのでしょうか。
【写真を見る】戦況はどう変わる?米・独がウクライナに主力戦車の供与を発表 軍事専門家「数年単位で長引く覚悟か」【news23】
米独がウクライナに戦車の供与を発表
「ついに自由に。彼が仕事をしにウクライナへ」
ウクライナ国防省のツイッターで26日に投稿されたものです。
ドイツが供与を決めた主力戦車“レオパルト2”の名がヒョウを意味することから、戦闘に加勢することを歓迎しているようです。
バイデン大統領は25日、「米国と欧州は完全に結束している」と発言。
アメリカのバイデン大統領は、ロシアによる侵攻が続くウクライナに対し、主力戦車“エイブラムス”を31両供与すると発表しました。
これに先駆け、ドイツも“レオパルト2”の供与を決定。他国による供与も承認したことからフィンランドも同じ戦車の供与を表明しました。
今後の戦況について 専門家「数年単位で長引く覚悟か」
現在の戦況について、防衛省防衛研究所の高橋杉雄室長は、
「天候の影響もあって膠着状態が数か月続いているが、春になって気温が上がって、陸戦が動き出す時期に、まとまった戦車を供与するというのが、今回の決定がこのタイミングで行われた大きな意図だと思う」
ゼレンスキー大統領は、感謝を述べた上で、「今後、供給のスピードと量が重要だ」と主張。「世界からの軍事支援が多いほど、ロシアによる侵攻の終結が早まる」として、さらなる支援を求めています。
高橋氏は、ドイツの“レオパルト2”よりもアメリカの“エイブラムス”の方が準備に時間がかかり、夏頃まで戦場に投入されることはないと指摘します。
高橋杉雄氏は
「(ドイツの)“レオパルト2”がある程度今年戦い抜いたあとで、(アメリカの)“エイブラムス”が入ってきて、更なる追い打ちをかけていく。アメリカもヨーロッパもおそらくウクライナも今年終わればいいという希望は持っていると思うが、数年単位で長引くという覚悟でこの戦争を戦い抜くつもりであるということが、今回の“エイブラムス”の供与で、ある程度見えてきたと思う」
ロシアの大統領報道官は25日、「いずれの戦車も他の戦車と同様、燃え尽きるだろう」と警告しています。
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