特殊詐欺事件被害額は35億円以上…フィリピン収容日本人4人関与　同級生「落ちるとこまで落ちちゃった」

全国で相次ぐ連続強盗事件。警察はフィリピンの入管施設に収容されている日本人グループが関与した可能性があるとみて捜査しています。

このうち、警視庁が特殊詐欺に関わった窃盗などの疑いで逮捕状を取っているのが、渡辺優樹容疑者（38）、今村磨人容疑者（38）、藤田聖也容疑者（38）、小島智信容疑者（45）の4人です。

その後の捜査関係者への取材で、4人が関わったとされる詐欺事件の被害総額が少なくともおよそ35億円にのぼるとみられることがわかりました。

警視庁は4人の中に一連の強盗事件の指示役がいる可能性があるとみて慎重に調べていますが、その指示役が通信アプリ「テレグラム」で名乗っていたのが「ルフィ」や「Kim Young-jun」のアカウント名です。

去年10月に東京・稲城市で起きた強盗傷害事件で逮捕された7人のうちの1人は『Kim』からの指示について…

強盗傷害事件の容疑者の1人
「『強盗をする時は殺してもいい』と言われた」

こう供述しているといいます。

こうした中、フィリピンのレムリヤ法務相は…

フィリピンレムリヤ法相
「我々はこの件について、全面的に日本政府と協力する」

こう述べたうえで、来月上旬のマルコス大統領の訪日前に、「問題を解決すべく尽力する」との考えを示しました。

さらに、レムリヤ法務相が言及したのが入管施設での「汚職」についてです。

フィリピンレムリヤ法相
「汚職の問題が懸念される。入管施設のスタッフに（渡辺容疑者らの）支援者がいれば、厳しく対応する」

関係者によりますと、施設の中では職員に賄賂を渡すことで、本来禁止されている携帯電話などの通信機器の入手が可能な状態だったといいます。

実際にその様子を示すのが、2020年に撮影された映像です。

「これに日当1万出します」

裸で寝そべり電話をする男。逮捕状が出ている4人のうちの1人、今村容疑者です。

「そんな簡単な話なんですけど、そこはリスクはないです。そいつらは詐欺で入手した金だからわめくこともないです」

他の収容者がエアコンのない共同の大部屋で過ごすなか、今村容疑者は当時、月6万円で個室のVIPルームを利用。そして職員に賄賂を渡し、携帯電話を入手して使っていたといいます。

今村容疑者とはいったいどんな人物なのでしょうか。

警視庁が逮捕状を取っているフィリピンの入管施設に収容中の今村磨人容疑者。北海道出身だといいますが同級生は…

今村容疑者の小中学校の同級生
「中学校の時もたばこ吸ったり、お酒飲んだり、お金を弱い人から取ったりとか。落ちるとこまで落ちちゃったんだなと」

また、5年ほど前に今村容疑者のもとで働いていた女性はー

約5年前に今村容疑者のもとで勤務していた女性
「本当に人あたりもよくて、結構ハキハキして優しい声かけをしてくれるんですけど、やっぱり目が笑っていない。ふたを開けてみればお金にだらしなくて、『会社自体に前借りしてるんだよね』とか」

日本側とフィリピン当局は近く送還に向けた協議に入る予定で、今週にも、何らかの動きが出る可能性があります。

特殊詐欺事件 被害額は35億円以上…フィリピン収容日本人4人関与 同級生「落ちるとこまで落ちちゃった」