「日産自動車」と筆頭株主の「ルノー」が“不平等条約”の解消で合意。1999年にルノーの事実上の傘下に入った日産は、大きな転機を迎えました。
【写真を見る】「20年越しの悲願」日産・ルノー “不平等条約”解消へ 出資比率の見直しで合意
記者
「『20年越しの悲願』がようやく実現する。日産の幹部はルノーとの合意に対し、喜びをこう表現しました」
日産とルノーはきょう、資本関係を見直すとの声明文を発表。ルノーは日産株を43%、日産はルノー株を15%持っていますが、両社は出資比率を15%で揃えることで合意すると明らかにしました。
両社のいびつな関係は1999年から。バブル崩壊後、経営危機に陥った日産は当時の塙社長が極秘でパリを訪れ、ルノーと資本関係を締結。
カルロス・ゴーン氏
「どれだけ多くの努力や痛み、犠牲が必要となるか」
“コストカッター”と呼ばれたカルロス・ゴーン前会長の下でリストラを断行。V字回復に成功します。
一方、日産はルノーを規模で上回りながらもルノーに対して議決権はなく、“不平等”条約とも呼ばれていました。
それを解消するきっかけが、自動運転技術です。
記者
「こちらの車、ボタンを押すだけで自動で駐車することができます。右側に壁があるんですが、結構ギリギリまでいきますね」
自動車業界は今、100年に1度の変革期。ルノーは去年、グーグルなどと協力するEVの新会社の設立を発表。日産に出資を求めていました。
また、日産が持つ自動運転技術や次世代の電池などの知的財産の使用を求めていて、その見返りが「対等な関係」でした。
従業員
「平等になるなら、それが一番いいかな」
晴れて独立する日産。今後が正念場だと専門家は指摘します。
ナカニシ自動車産業リサーチ 中西孝樹 代表アナリスト
「ルノーはヨーロッパに特化している。日産の事業改革はアメリカと中国に特化している。全く違う方向を向いている。それを一元的にその戦略を統合していくっていうのは、ほぼ無理があると。日産はこれを契機に、自分たちの意思で、自分たちに合った是々非々でいろいろなパートナーと組みながら、アメリカ、中国、かつ日本もパートナーシップを作っていく、そういう段階に来る」
待つのは100年に一度の荒波。今後、アメリカ・中国・日本でどの企業と組んでいくのかが問われます。
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