中国・電気自動車大手が31日から日本で販売開始 日本で導入進まぬ電気自動車…価格は?補助金は?充電は?

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2023年1月31日 (火) 21:08

1月31日から中国の電気自動車大手「BYD」が日本での販売を始めます。なかなか日本では普及が進まない電気自動車。まだ販売台数の割合は1.4%に留まっています。
気になるポイントは値段はどのくらいか、補助金はどうなのか、充電はどうなのか…。実際に購入・乗車した人の声を元に見ていきます。

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電気自動車 日本の現状は?

熊崎風斗キャスター:
中国の「BYD」という電気自動車メーカーです。SUVスポーツ多目的タイプ「ATTO3(アットスリー)」という車種が440万円です。元々バッテリーメーカーでした。2022年の1月〜11月、テスラを抜いて電動車の販売台数世界一になりました。

2025年末までに日本でも100店舗以上の出店予定。ここから店舗数も増えてきそうです。

BYD Auto Japanの東福寺厚樹社長
「お客様の興味が高まっている今、市場参入できたのはタイミングとして非常に良かった」

では今、電気自動車を取り巻く状況を見ていきましょう。日本ではどれくらい広がってきているのか?

政府としましては2021年、「2035年までに新車販売で電気自動車100%を実現する(ハイブリッド車なども含む)」という目標を掲げていました。

現状は、販売台数の割合は…
▼ハイブリッド車:49.0%
▼ガソリン車:42.3%
▼電気自動車:1.4%

電気自動車の割合がもう少し伸びてきてほしいという思いもあるということですね。

井上貴博キャスター:
世界的な流れとしてガソリン車を廃止する。中国はその中で主導権を握りたい。でもいくら日本で車が良くても充電スタンドなどは圧倒的に少ないので、環境整備が遅れているのかなという感じもします。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
ハイブリッドが成功しすぎちゃったものですから、それで別にいいだろうと。ガソリンの燃費もいいですから。世界的に売れましたから、その成功体験があってなかなか電気に切り替わらないのが日本の今の原因なんですけど、これは早くキャッチアップしないと。そういうトレンドですからね。国も官民挙げてやるしかないですね。

いくらで買える?電気自動車 購入補助金も

熊崎キャスター:
環境はどうなんだというところを、実際に電気自動車に乗っている方にお話伺ってきました。

まず価格から見ていきましょう。車種によって当然差はあるんですが、人気の車種ですと400万円台〜600万円が主流だと。軽自動車は約250万円から販売しているということです。

自動車評論家の国沢光宏さん
「現在、軽の場合は上限55万円の補助金もありお得に買えます」

そんな中、1月に約270万円で電気自動車を納車した関西在住のAさんにお話を伺っています。

Aさんは日常としまして、自宅は関西にあるんですが、北陸で勤務をしていて職場は北陸にあります。毎日往復で約150キロほどかかっています。通勤にかかるガソリン代を削減するために購入を決意したそうです。
もう1台奥様が乗っている車を含めて、大体月にガソリン代が5万円ほどかかっていたそうですが、まだ1ヶ月経っていませんが、大体半額ぐらいにはなるのではないかとお話されていました。

Aさんは「半導体不足などで納車までに約7か月待ちました」と、購入を決意したのはもっと前だったのですが、このタイミングでようやく納車できて今乗り始めているということでした。

ホラン千秋キャスター:
電気自動車でなければ納車が早い、みたいな現状があるのですか?

熊崎キャスター:
電気自動車だと半導体とか、いろいろな納車までに期間がかかってしまったということですよね。Aさんは欲しくてもなかなか納車まで時間がかかってしまったというパターンですね。

充電はどこで?電気自動車 充電器設置場所は?

では、電気自動車は当然充電をすることになります。どのように充電をするのか?

Aさんのパターンで見ますと、自宅で充電をしています。充電の設備は約7万円ほど工事にかかって、その他に様々なケーブルなどの費用もかかってくるというのですが、初期投資さえ済ませればあとはガソリンより安くなるということですね。

普段のスケジュールで見ますと、午後7時に帰宅後に充電して大体朝にはフル充電になっているそうです。充電による電気代が1回510円ほどで、1回の充電で約200キロ走れるということです。

ただ、1回200キロですから200キロ以上走りたいときなど遠出をする場合、外出先で充電がなくなった場合どうするのか。
充電スポットが全国に2万か所以上設置されています。もっと増えていかないといけないところではあるんですけれども、例えばコンビニエンスストアや道の駅、商業施設、ガソリンスタンドなどに設置されているケースが非常に多くなっています。

しかし急速充電ができる場所は少ないです。充電に時間もかかってくるので前の車が充電してたら、なかなか充電できないなどそういう問題は現状あるということです。設置箇所が増えてくることが今後の課題になるということでしょうか。

乗ってみて気づいたことは?電気自動車の疑問

実際に乗り心地はどうなのでしょうか?エンジンの起動音がない、静かなのが非常に特徴だということです。

Aさん
「最初は静かすぎて気持ち悪かったのですが、エンジン音がないため、音楽が聞きやすかった」

納車後、すぐに「記録的寒波」がありました。職場まで運転をしていたそうですが「通常の車と変わりない走り心地だった。雪が降っても最初の運転では問題はなかった」ということも話していました。

しかし、Aさんは「通勤の道に充電ステーションが整っていないため、職場まで充電がもつか気にしながら運転をしています」とのことでした。

都心だと結構、充電スタンドステーションは多いんですけれども、場所によっては数が少ないところもあります。専用のアプリなんかで調べることができるということでした。

井上キャスター:
忘れてはならないのは、電気自動車を作る上で必ず必要な鉱物があって、その鉱物はコンゴ共和国などで採掘されている。誰が取ってるかというと子どもたちなどが強制労働、低賃金で劣悪な環境で人権問題というのも指摘されてます。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
電気自動車は万能ではないことは明らかですよね。電気自体だって原子力で発電しているケースもあるし、それがCO2を出してるケースもあるわけだから。ただトレンドとしては、電気自動車にしていった方がいろんな面で使い勝手がいいというのがありますよね。
特に、おそらく電気製品として、家電製品として売り出されるわけですから。競争は相当激しくなって、それが結局安くなっていくことになるんでしょうけど。悪い部分についてはチェックしながら使っていくしかないですね。

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