
横田俊吾(22、青学大4年)が2003年に藤原正和(当時中大4年、現中大監督)が出した2時間08分12秒の学生記録を20年ぶりに更新した。
【写真を見る】「箱根を挽回する気持ちで」青学大・横田俊吾、20年ぶり学生記録更新&MGC出場権獲得 レース後一問一答【別大マラソン】
第71回別府大分毎日マラソン(以下別大マラソン)が5日、大分市高崎山・うみたまご前をスタートし、別府市を折り返してジェイリーススタジアム(大分市営陸上競技場)にフィニッシュする42.195kmのコースで行われた。
30kmまで5km15分00秒ペースで進んだ後、イブラヒム・ハッサン(26、ジプチ)とダニエル・キプチュンバ(25、ケニア)が抜け出し、ハッサンが2時間06分43秒の大会新で優勝した。キプチュンバが5秒差の2位。市山翼(26、小森コーポレーション)が2時間07分44秒で3位、横田が2時間07分47秒の大会タイで4位となった。
市山、横田、6位の木村慎(28、Honda)、7位の小山司(31、SUBARU)、10位の作田直也(28、JR東日本)、13位の村本一樹(30、住友電工)の6人が、新たにMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)出場資格を得た。
だが気象条件が良かったにもかかわらず、8月の世界陸上ブダペスト大会派遣設定記録の2時間07分39秒を誰も突破できなかった。30km以降の走りに世界との差が現れていた、という指摘も日本陸連幹部らから出ていた。
箱根駅伝を挽回する気持ちで
学生新をマークした横田の、レース後の一問一答を整理して紹介する。
――日本人トップの集団から後れたところは、余力はまだあった?
横田:
余力はなかったんですが、給水ボトルに4年生たちの応援メッセージを書いてもらっていて、それを見て元気が出ました。
――タイムと順位はどう評価していますか。
横田:
本当、僕の中では100点、あげてもいいです。(3位だった)箱根駅伝で4年生としてよくない走りをしてしまったので(3区区間8位)、それを挽回する気持ちで走りました。
――昨年の別大(16位・2時間12分41秒)に続いて2度目のマラソンですが、マラソン用の練習はいつからやってきたのですか。
横田:
マラソン用の練習はやっていないです。
――箱根駅伝の延長線上ですか?
横田:
はい。そんな感じでやっていました。
――テレビ解説をされていた原晋監督が、練習では32kmまでしかやっていなかったと話していました。
横田:
本当に30km+2.195kmしか、長い距離はやっていません。しかし夏合宿とか、しっかり練習はできていたので。(年間を通して)練習は本当に積めていて、3大駅伝もしっかり走っていたので、それを自信にしました。4月に入社するJR東日本のコーチの方からも、妥協なくマラソンまで過ごしていけば結果は出ると言われていて。食事や生活面で妥協なく過ごしたことが、今日の結果につながったと思います。
――2年連続で別大を走った。
横田:
僕としては1年間の目標として、3年終了時にこの別大で2時間8分というのを決めて、本当に、それを目標にやってきました。去年(3年時)は夏合宿終わって別大を走ろうと思ったんですけど、今回は1年間トータルで、最後に別大で良い走りをしたくて。それが上手くいったな、と感じています。
――別大にしたのはタイミング的なものですか。
横田:
東京マラソンはちょっとペースが速いのですが、別大は3分ペースなので余裕を持てます。箱根からの流れを考えて監督も言っていると思うんですけど、その流れでできるのが別大なので、選ばせていただきました。
2時間8分台だった目標を、走りながら7分台の学生記録に変更
――練習は32kmまで。ペースは?
横田:
3分ペースもやっていなくて、3分半で30kmやって、あと2kmは設定2分53秒くらいで走るんですけど、それしかやっていません。3分ペースで押す練習はしていませんでした。
――30km走の回数は?
横田:
2回です。箱根からマラソンまで、2回しかやっていないです。
――箱根駅伝のあといつから練習を再開?
横田:
1週間から10日、軽いジョグでつないで、そのあとからスタートしました。
――目標タイムはどう設定していたのですか。
横田:
目標は記録じゃなくてMGCでした。6位以内で2時間8分台を目標にやっていて、途中でもしかして7分台行けそうだな、と思ったので、これは行ってやろうと。
――何kmあたりで7分台に行けると?
横田:
35kmです。去年そこでバテバテでしたが、それ以上に余裕があったので、行ってやろうと思いました。最初は吉田祐也(GMOインターネットグループ)さんの記録(青学大4年時の20年別大で2時間08分30秒)を目標に考えていて、そして39kmあたりで本当に学生記録行けるのでは?と思って、頑張りました。
――先頭の日本選手と5秒くらいだったと思いますが、余力は?
横田:
余力というか、ペース的には3分少しだったと思うのですが、前と離れなかったので、もしかしたら行けるのでは、と思って。そしたら追いついたんです。
――そのときは冷静に色々考えられた?
横田:
学生記録行ける、と考えたら楽しくなって。
“よこたっきゅう”と言われる腕振りに変わった経緯は?
――ご自身のフォームを自分ではどうとらえている?
横田:
僕の持ち味で皆さんも覚えてくれているので、本当にうれしいことだと思います。今度はマラソン界で“よこたっきゅう”を流行らせたい気持ちです。
――どうして右だけ曲がっているのでしょう?
横田:
なんでなんですかね。僕も知りたいです。僕も知りたい、と書いてください(笑)。
――いつ頃からあのフォームに?
横田:
本当は横振りで踵接地だったんです。それをつま先接地に変えたら、高校1年生のときでしたが、縦振りに変わって、あんな感じになっていました。
――それは高校の松田和宏監督からフォームを変えようと言われたのですか。
横田:
いや。ぜんぜん、ぜんせん。自分のフォームで伸ばしてくれたので、松田監督には感謝したいです。
――左右差のバランスからああいう形に?
横田:
本来だったらもっと左右差がない状態で走れたら効率良いと思うんですけど、僕はこれしかできないです。これを研いていこうかな、と思います。
マラソンが輝ける場所と思った理由は?
――マラソンで輝けると思ったのはどういう経緯で。
横田:
去年の別大を走っているときから、僕が力を出せるのはこの舞台だなって思ったので。そこからですね、ホントに目指したのは。
――駅伝で輝く選手も多い。
横田:
近藤幸太郎(青学大4年)とか岸本大紀(同)たちは駅伝で輝いています。新潟だったら岸本だったり、今回、山の妖精と言われている城西の子だったり。ちょっと悔しいのですが今日、僕もこうしてガツンとやったので、新潟にはオレもいるぞ、っていうのは示せたかなと思います。
――去年の別大が人生で一番キツかったレースだと言っていました。そこで輝けると思うのは矛盾している気もしますが?
横田:
確かにそうですよね。でも走っているときは、感覚がいいなあと思いました。自分がトラックだと勝負できないけど、こういうところなら勝負できる。けどやっぱり、過去最高にキツかったのですが。
――中盤でリズム良く、輝けると思ったけど、終盤で過去一番キツかった?
横田:
差が、トラックだったら他の選手に付けられてしまうんですが、マラソンだったらもっと縮められる。今日もそんな感じだと思うんです。トラックではかなわない相手と、こうやって走ることができたので。
――MGCを取ったばかりですが、次の目標は?
横田:
今はちょっと考えられないので、とりあえず1カ月休ませてもらって、リフレッシュした状態で実業団の監督さんやコーチと考えたいと思います。一度、リフレッシュします。
(TEXT by 寺田辰朗 /フリーライター)
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