“冬なのにコート禁止” 校則に教育委員会は「総合的判断」…理不尽な学校のルール「ブラック校則」見直しは?【news23】

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2023年2月8日 (水) 13:03
“冬なのにコート禁止” 校則に教育委員会は「総合的判断」…理不尽な学校のルール「ブラック校則」見直しは?【news23】

“冬なのにコート禁止”…こうした学校の理不尽なルール「ブラック校則」がSNSで話題になっています。一方で、福岡市は来月までに全中学校の5項目の校則見直しを発表。また、岡山市のある高校では、生徒会メンバーが新たな校則を発表するなど、全国で“ブラック校則見直し”の動きが広まっています。

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冬でも“コート禁止”…ブラック校則 見直しは?

「コートの着用禁止」。こんな校則が最近、SNS上で話題になっています。

SNSの投稿
「男子はコート禁止、女子はコートOKだった。冬本当地獄だった」
「うちの高校、コート着てたら切符切られる・・・先生達は防寒着めっちゃ着てるけど」

学校の理不尽なルール、いわゆる「ブラック校則」。あなたの学校にはありませんか?

高校2年
「(髪色が)明るいと『黒染めしてこい』と」
「メイクも社会人になったら良いのに、高校ではダメ」

高校1年
「カーディガンがダメ。個性が欲しい。全く同じじゃないですか、制服って」

高校1年
「『このセーターしか着ちゃダメ』みたいな指定のものがある。カーディガンがいい」

ーーなぜカーディガン?
「かわいいし」

千葉県内で聞くと、複数の高校で「カーディガン禁止」の校則も・・・
しかし今、こうした校則を見直す動きが全国で広がっています。

福岡市教育委員会
「どういう校則があるか知ってもらうために、HPに公開することには効果がある」

福岡市は3月までに全ての中学校の校則をホームページで公開するほか、ツーブロック・ポニーテールの禁止など5項目を“合理的な説明ができない”として今年度中に見直すと発表しました。

岡山市にある県立興陽高校では、生徒会のメンバーが2023年4月から適用される“新たな校則”を発表しました。

生徒会のメンバー
「ツーブロックについては基本的にOKになりました。ポニーテールやお団子でも、くくる位置が頭のてっぺんをこえなければOKとなりました」

生徒の半数が就職するこの高校では、これまで就職試験にも臨める服装や頭髪を校則の基準としてきました。
しかし今年度、生徒会が主体となって県内の企業などにも意見を聞き、社会で求められる人物像と照らし合わせて、新しい校則のあり方を考えました。

2年生
「ツーブロックとかがOKになったので、あまり目立たないくらいなツーブロックにしてみたいな」

興陽高校 新生徒会長・大下 隼ノ介さん
「ひとりひとりの個性を受け入れてくれる。そして受け入れてくれながらも自分の個性を発揮できる。そんな高校になってくれたら」

「着用拒む生徒・OBも…」コート着用禁止の理由は?

山本 恵里伽キャスター:
SNSで話題となっているコート着用禁止の校則ですが、実際に鹿児島県内の学校に複数あるということです。
この理由について鹿児島県の教育委員会に聞いてみたところ…

鹿児島県教育委員会
「制服に誇りがあり、コート着用を拒む生徒・OBもいるなど、総合的判断と聞いている」

データサイエンティスト 宮田裕章 慶応大学医学部教授:
着用するしないは個人の判断ですので、一部のOBとか生徒のせいにしないで欲しいなっていうふうに思います。

小川彩佳キャスター:
ちなみに宮田さんは学生時代、どんな校則でしたか?

宮田教授:
気にしたことがなかったです。こういった厳しい校則ではなかったですね。

小川キャスター:
私の母校は結構自由さを重んじる校風が特徴的な学校だったので、全くブラック校則のようなものはなかったですが、山本さんはいかがですか?

山本キャスター:
お二人は非常に平和な学生生活を送ってらっしゃったんですね。私は中学・高校も校則は厳しめだったんです。特に記憶に残ってるのが中学時代。

スカートは絶対「膝下」じゃないといけなかった。膝立ちをさせられて、スカートの丈が地面に着かないといけないんです。私はつかなかったことがあるんです。
そうしたらスカート自体を没収されまして。上半身はセーラー服、下半身は体操着という姿で1日を過ごさないといけなかった。本当に恥ずかしかった記憶がいまだにあります。

こうした全国の公立中学校高校の校則を、見える化しているサイトがあるんです。

▼「全国校則一覧」
・現在1484校が登録
・有志の中高生らのグループが教育委員会に情報公開請求し掲載

このグループの代表を務めている、高校2年生の神谷航平さんに話を聞きました。

「大人は社風が合わず転職できるかもしれないが、子どもは校則が合わず転校はハードルが高い」
「データに基づき議論できるよう、校則改革に挑む中高生に“武器を与えたい”」


小川キャスター:
素晴らしいですね。生徒自身が問題意識を持って主体的に行動する。後押しする取り組み。

宮田教授:
本当にそう思います。学校のような閉じたコミュニティの中では、理不尽なルールがときに作られる。それによって苦しむ人が出る。
そういったときにこういったデジタル、データの力で問題を可視化することで変化のきっかけにできる。これをボトムアップでやっていったことが本当に素晴らしい。

一方で校則というものが、ときに個性を刈り取る形で日本では運営されていることが多い。多様性がイノベーションの源泉なので、時代に逆行している。
こういった中、単に校則を見直すだけではなく、ドレスコードというのは“決められたレギュレーションの中で個性を表現していく”ということなので、考え方自体を変えていってもらいたいと思います。

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