
いま、海外の映画祭で受賞が続き、評価が高まっている日本の自主制作映画があります。
【写真を見る】クラウドファンディングで資金募り海外で高評価 自主制作映画「最後の乗客」 元AKB48岩田華怜さんら舞台挨拶
映画「最後の乗客」。
震災を機に関係が変わってしまった父と娘を描いたドラマで、仙台で震災を経験した元AKB48で女優の岩田華怜さんが主演を務めています。
サンディエゴ芸術映画祭と、カンヌ世界映画祭で、最優秀インデペンデント映画賞を受賞するなど、世界各国の映画祭で受賞が続いているなか、15日、国内で初めてとなるお披露目会が開かれました。
岩田華怜さん
「私は12歳で被災して、13歳からAKB48に入って、今日までの12年間ずっと震災復興活動をやらせていただき、3月11日という特別な日を発信してきた」
「この作品、いま世界中で数々の賞を受賞するぐらい、たくさんの方に見ていただいています。本当にありがとうございます」
監督は、ニューヨーク在住の映像ディレクター、堀江貴さんです。
仙台市の若林区出身で、被害の激しかった荒浜地区は堀江さんの子どもの頃の"近所の遊び場"でした。
震災当時、ニューヨークにいながら、胸を痛めたと言います。
堀江貴監督
「一番最初にニュースで聞いたとき、荒浜でたくさんの遺体が見つかったと出てきて、びっくりした」
その後はニューヨークを中心に復興支援活動をしていましたが、2017年3月、七回忌の追悼行事に参加したとき、転機が訪れます。
「お坊さんの講話で、七回忌とは『六道』という6つの地獄が通り過ぎて、仏になるタイミングですと」
「だから、今まではみんな(震災を)忘れないようにとか、これをやらなきゃと言っていたが、これからは自分の好きな形で、故人を供養したり、敬えばいいと話してくれて、後押しされた」
自身の職業である映像の世界で、震災を描くことを決意します。
震災から10年の節目となる2021年3月公開を目標に、クラウドファンディングで国内外から資金を募り、制作を始めました。
「やっぱり、10年たったらみんないなくなっちゃうんですよね。それまでサポートしてくれた国や団体も、10年を区切りにやめてしまう」
「だからこそ逆に自分は、寄り添う立場に居続けなければいけない」
俳優やスタッフも宮城県出身者を中心に集め、
撮影場所の1つに、ふるさとの荒浜地区も選びました。
「宮城の家族・親戚や同級生も裏方として来てくれたし、ニューヨークから友達も手伝ってくれて、僕の人生の集大成のようなもの」
ところが撮影開始直前のタイミングで、新型コロナが流行し始め、撮影の延期を余儀なくされました。
「制作を一番応援してくれていた闘病中の母親にも見てもらいたかったが、それは叶わなかった」
当初の公開予定から2年のブランクを経て、ついに「完成披露報告会」の日を迎えました。
「お見せするまでに時間がかかってしまいましたが、ここまで来れたのはクラウドファンディングでご協力してくださった皆様が長く応援してくれたおかげなので、本当にありがとうございました」
今後も国内外の映画祭に出品しながら、一般公開の準備をすすめているといいます。
「震災を知らない子供たちもいっぱい増えてきてますけど、この映画を見てもらって、1日1日を大切に生きてほしいと思っています」
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