周東佑京はなぜ速いのか 100m世界記録保持者ウサイン・ボルトと侍ジャパン足のスペシャリストの共通点

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2023年3月21日 (火) 17:03
周東佑京はなぜ速いのか  100m世界記録保持者ウサイン・ボルトと侍ジャパン足のスペシャリストの共通点

21日のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)準決勝でメキシコに6×ー5とサヨナラ勝ちを収めた侍ジャパン。9回、そのサヨナラのホームを踏んだのが侍ジャパンの切り札・周東佑京(27)だ。2020年シーズンには13試合連続盗塁の世界記録をマークした、走りのスペシャリスト。この日は吉田正尚(29)が四球で出塁すると代走として出場。「(打球が)超えると思ったので勝ったと思った」と、村上宗隆(23)の一打で一塁から一気にホームに激走した。

【写真を見る】周東佑京はなぜ速いのか 100m世界記録保持者ウサイン・ボルトと侍ジャパン足のスペシャリストの共通点

50mのタイムは5秒7だという周東は、なぜこんなにも速いのか。陸上の日本代表でリレーチームなどを指導してきた、日本陸上競技連盟強化委員の小林海さんに走りを分析してもらった。

小林さん:
周東選手は身長が高くて足が長いので、歩幅が大きいというのが一つの特徴だと考えています。歩幅だけで考えると、他の背の高い選手も同じくらいの歩幅で走ることができるんですけど、足の回転数が速い。結果的にそれがスピードを生む要因だと考えています。陸上選手だとウサイン・ボルト(ジャマイカ)と同じ回転数で走ることができている。

周東の走りは、100m9秒58の世界記録保持者、人類最速ウサイン・ボルトに重なるところがあるという。

小林さん:
背が高い、例えばウサイン・ボルトは身長2m近く(196cm)あるんですけど、あれだけの回転数で走るのはなかなか難しい。ボルトの回転数は1秒間に4.4歩くらい。周東選手の場合は1秒間に大体4.5歩~4.6歩くらいの回転数で走っていましたので、背が高い選手はどうしても回転数が落ちてしまう選手が多いんですけど、そこをキープできているところが周東選手の優れた点かなと思っています。

身長180センチと長身の周東だが、小林さんによると股関節をうまく使うことでボルトのような回転力を生み出している。

大会前には「WBCは小学生の時から見ていた大会なので非常に光栄だなと思います。選んでいただいたからには精一杯のプレーをして世界一に貢献したいと思います」と話していた周東。「苦しい場面で行くことがすごく多いと思うので、自分の出番がないということはチームの状態がいいということ」。負ければ敗退となる9回、チームが苦しい場面で今大会初得点となるホームを踏み、最高の仕事をした。

「チームが勝てれば自分の活躍はどうでもいいので、なんとか勝てるように笑って終われるようにチーム全員で頑張りたいと思います」。3大会ぶりの世界一まではあと1勝。侍ジャパンは22日、連覇を狙うアメリカと決勝戦を戦う。

キューブ・ソフトからのお知らせ