
イランで女性が着用することが義務づけられているスカーフをめぐり罰則を強化する法案が可決されたことについて、国連が遺憾の意を表明しました。
AP通信によりますと、イランの国会は20日、髪の毛を覆うスカーフ、ヒジャブを公の場で着用しない女性やその支持者に対する罰則を強化する法案を可決しました。違反した場合10年の禁錮刑が科される可能性があるということです。
これについてOHCHR=国連人権高等弁務官事務所は22日、「遺憾の意を表す」との声明を発表。「女性が二級市民として扱われることがあってはならない。すべてのイラン人の権利は平等に尊重され、守られなければならない」として、法案の撤回を要求しました。
イランでは去年、ヒジャブを適切に着用していなかったとして拘束されたマフサ・アミニさんが死亡して以降、抗議活動が激化し、反政府デモに発展しました。
16日でアミニさんの死から1年がたちましたが、抗議活動は当局の徹底的な弾圧により沈静化していて、人権団体によりますと、デモで死亡した人は500人を超えています。