
MLB機構は17日(日本時間)、全米野球記者協会(BBWAA)が選出するリーグMVP(最優秀選手)を発表し、エンゼルスからFAとなっている大谷翔平(29)が2年ぶり2度目のMVPを獲得した。さらに21年に続き“満票”での受賞で、「2度目の“満票MVP”」はメジャー史上初となる歴史的快挙を達成した。
これまでMVPは日本人選手ではイチロー(2001年)と大谷(2021年)の2人のみで、複数回の受賞は大谷が日本人初。満票でのMVPは過去19人(19回)で、史上最多7度のMVPを獲得したバリーボンズも満票は1度しかない。大谷は今季日本人選手初の本塁打王に輝くなど、唯一無二の投打「二刀流」の活躍でライバルたちを寄せ付けず、史上初となる2度目の“満票MVP”を手にした。
現地の中継に出演した大谷は、受賞を受けて「去年もちろん獲りたかったですけど、今年もセミエン選手もワールドシリーズ優勝したように素晴らしい年だったと思うのでそれに負けないぐらいのシーズンにしたいなと。こうやって(MVP)獲れて特別なことだと思う」と喜びを語った。
大谷は今季打者としては規定打席に達し、打率.304と自身初となる打率3割の大台に乗せ、95打点、20盗塁。シーズン終盤は右ひじ靭帯負傷などの影響で離脱したが、44本塁打でア・リーグ本塁打王に。
投手成績は10勝5敗、防御率3.14、167奪三振。規定投球回には到達できなかったが、メジャー史上初となる2年連続「ダブル2ケタ」(10勝&10本塁打)の偉業を成し遂げ、7月28日のタイガース戦のダブルヘッダー第1試合ではメジャー初完投初完封を達成。第2試合では2打席連続ホームラン、メジャー史上初のダブルヘッダーでの完封とホームランをマークするなど、数々の記録を打ち立てた。
ナ・リーグのMVPにはR.アクーニャJr(25、ブレーブス)が大谷と共に満票でMVPを獲得した。
エンゼルスのM.トラウト(32)は大谷のMVPについてSNSで「おめでとう。本当に受賞に値するMVPだ。誇りに思うぜ、ブラザー」と祝福と喜びを綴った。
【過去10年のア・リーグMVP】★は満票
2014年 M.トラウト(エンゼルス)★
2015年 J.ドナルドソン(ブルージェイズ)
2016年 M.トラウト(エンゼルス)
2017年 J.アルトゥーベ(アストロズ)
2018年 M.ベッツ(レッドソックス)
2019年 M.トラウト(エンゼルス)
2020年 J.アブレイユ(ホワイトソックス)
2021年 大谷翔平(エンゼルス)★
2022年 A.ジャッジ(ヤンキース)
2023年 大谷翔平(エンゼルス)★
【大谷翔平が今季受賞した主なタイトル】
・ア・リーグ本塁打王
・チーム最優秀選手
・「ベースボール・アメリカ」年間最優秀選手
・ア・リーグ最優秀野手
・シルバースラッガー賞
・正力松太郎賞特別賞