
■高校野球女子選0ー 4イチロー選抜 「KOBE CHIBEN」(21日、東京ドーム)
今年で3回目を迎える「高校野球女子選抜」と「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」の一戦が2年連続東京ドームを舞台に開催。「9番・投手」で先発したイチロー氏(50)が9回116球を投げ切り完封勝利。引退後、自身最速となる138キロをマークするなど会場をどよめかせた。打者としても3大会目で初安打となる二塁打を記録した。
1回から“投手・イチロー”がいきなり見せた。先頭打者、上條優奈(岐阜第一)への初球に自己最速タイの135キロ、続く2球目に138キロをマーク。今年50歳を迎えたレジェンドが最速記録を更新した。
2回には5番・末木希依(花巻東)にこの日初安打となる三塁打を許したが、後続を打ちとり得点を与えず。4回は先頭の2番・三村歩生(神戸弘陵学園)、3番・.髙橋愛(岐阜第一)へ2者連続四球。無死1、2塁で4番・谷川萌季(神戶弘陵学園)を迎えたが、二塁・浦次茂記(42、会社役員)、遊撃・松坂大輔が守り、“463”の併殺に打ち取るなど、この回も凌いだ。
“打者・イチロー”は、5回の第2打席、3大会目にして初安打となる二塁打。二塁到達時に右モモの裏をたたく仕草を見せたが、6回以降もマウンドにあがった。
足をつりながらも最後までマウンドを守ったイチロー氏。その後もピンチを背負いながら熱投を続けた。足を引きずる場面もあったが、9回にも134キロをマークするなど116球を投げ5安打9奪三振、無失点。3年連続の完投で3回目の真剣勝負も「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」が「高校野球女子選抜」に勝利した。
イチロー氏は第4打席にもヒットを記録。二塁球審に当たった打球がライトへと抜け、足を引きずりながら一塁へ。4打数2安打(1三振)とした。
試合後はそれまでの険しい表情から穏やかな笑顔に変わったイチロー氏。「僕がマウンドから下りるということはありえないし、それでしか僕の思いは伝えられないので、あれで左足も行かれたらアウトなんですけど、ギリギリもってくれて本当よかったです」と語った。
今大会が2度目の参戦となった松坂氏は4打数1安打だった。