
■高校野球女子選抜 VS イチロー選抜 「KOBE CHIBEN」(21日、東京ドーム)
【写真を見る】イチロー氏が松坂氏に投手復帰の提案「51番つけて僕はショートを守ります」松坂氏は「責任を持って準備したい」【試合後全インタビュー】
今年で3回目を迎えた「高校野球女子選抜」と「イチロー選抜 KOBE CHIBEN」の真剣勝負は4-0でイチロー選抜が3年連続となる勝利を収めた。「9番・投手」で先発したイチロー氏(50)は足をつりながらも、3年連続の完投。9回116球、被安打5の9奪三振で完封勝利を飾った。引退後自身最速となる138キロをマークするなど、今年50歳を迎えたレジェンドはいまなお進化の途中。打者としても3大会目で初安打となる二塁打を記録するなど2安打だった。
試合後、恒例となった高校野球女子選抜の選手とのインタビューでは、イチロー氏から早くも「51歳も鍛えます」との宣言が。昨年に続き参戦した松坂大輔氏(43、4打数1安打)へも投手での復帰を提案し、松坂氏(43、この日4打数1安打)もその言葉に応えた。イチロー氏から三振を奪った堂前凌那(岡山学芸館)は「一生の思い出」と目を輝かせた。
イチロー:いやもう途中で無様な姿をみせてしまって、情けない限りですけど、でもなんとか最後まで形になってよかったですし。何より僕は個人的にはヒットが出てよかったです。めっちゃうれしかったです。僕ね、プロでそこそこヒット打ってきたんですよ(笑)だからこの2年がもう悔しくて悔しくて。実はピッチャーとしても今そうなんですけど、バッターとしてなんとしても一本という目標を今回は掲げていたのでめっちゃ嬉しいですね。
Q.3年間の思いが詰まってましたね?
イチロー:こういうときそうですねっていうんでしょうけどそういうことじゃないと思うんですよね(笑)
Q.過去2年と比べてご自身のプレーはいかがでしたか?
イチロー:早い段階で限界を迎えてしまって、この経験は実は2年前に神戸でしてるんですね。で、一番練習できなかったのは、例えば投げる、走る、打つ、いろんな練習をしてきました。でも打ってから走るという練習が実は一番できてないんですね。だからそれを今日痛感しました。また鍛えたいと思います。
Q.今回で3年目になるが、なにか違う感覚は生まれたか?
イチロー:ここまで追い込まれることないから、いや~・・・今50(歳)になりましたけど、51歳に来年なって、高校生たちとの差は毎年離れ続けていくんですよ。毎年高校3年生ですから相手は。そこはなんとかならないんですけど、いやーもう鍛えるしかないですね(笑)51歳、鍛えますもう。
Q.伝えたい思いはあったんですよね?
僕がマウンドから下りるということはありえないし、それでしか僕の思いは伝えられないので、あれで左足も行かれたらアウトなんですけど、ギリギリもってくれて本当よかったです。
三振のイチロー氏「ロジャー・クレメンスより打ちづらい」
Q.(イチロー氏からヒットを放ち)ナイスヒットでした。打った感触は?
谷川萌季(神戶弘陵学園):めっちゃうれしかったです。打てると思ってなかったんで、めっちゃ打てたのが嬉しくて・・・。
イチロー:打てると思ってないのはダメだと思うよ。打てると思って打席に立ってください。
谷川:あ、すいません(笑)。打てると思って打席立ってて、打てたのがめっちゃ嬉しかったです!
イチロー:この先も野球やりますからそんな気持ちじゃダメです。
Q.試合前にはイチローさんと松坂さんの前で練習しました。
谷川:緊張したんですけど自分のスイングが出来たんでよかったです。
Q.「身体の使い方を覚えればホームランが打てる」と言ってましたよ。
谷川:打ちます!
イチロー:体の使い方をもちろん、下半身を使ってしっかりと力を伝えられれば、ホームラン打てると思います。
谷川:体の使い方をしっかり勉強して、絶対次のステップ、ステージにいったときにホームランを打てるように頑張ります。
Q.いかがでしたか?
松崎環菜(島根県立島根中央):相手が大人ということで簡単に抑えられるわけがないなと思っていたんですけど、自分らしいピッチングができたのでよかったです。
イチロー:そんな大人でもないよ実は(笑)
Q.得意のカーブが通用しましたね、」いかがでしたか?
松崎:カーブは抜けることが多かったんですけど、いい感じにかかってくれて、インコースにいってくれてよかったです
Q.松坂さんとの対決もありましたが。(松坂氏を二ゴロに打ち取る)
松崎:(松坂を)試合前から絶対に打ち取ろうと思っていて、内野ゴロで打ち取れたのでよかったです。
松坂:参りました。本当にうまく打ち取られました。難しかったです。
Q.将来が楽しみですね?
松坂:本当に皆、コントールが良かったですね、今日のピッチャーは。参りました。
Q.ナイスピッチングでした。ピッチングを振り返って
堂前凌那(岡山学芸館):最近すごく自信があった真っ直ぐが結構通用したかなと思ったので、それが自分の中では嬉しかったです。
Q.なんとイチローさんから三振を奪いました、いかがでしたか?
堂前選手:すごい楽しみにしてたんで、絶対に打ち取ろうと思ってたんですけど、まさか三振を取れるとは思ってなかったんで、自分の中で一生の思い出になりました。
Q.イチローさん、三振の場面ですが
イチロー:えっとね、嫌な予感はしてました。僕、三振が少ない選手なんですよもともと。これは・・・しかも三球三振だからね、誇っていいと思いますよ(笑)
堂前選手:ありがとうございます。
イチロー:僕の感覚では、みんなは年齢的に知らないと思うけど、(ロジャー・)クレメンスよりも打ちづらかったです。
場内:(笑)
松坂:わかる?
堂前:わかんないです。
イチロー:いいピッチャーです。
Q.一生の自慢にできますか?
堂前:はい、帰ったら自慢します。
Q.今後の野球人生にどう活かしていきますか?
堂前:イチローさんを打ち取れたっていう自信を持って、やっぱり強い気持ちで真っすぐ勝負で頑張っていきたいと思います。
松坂氏が投手復帰?「51番つけて僕はショートを守ります」
Q.いま試合を終えてどんな気持ちですか?
松坂:今年は目立ったミスをすることなく、イチローさんに怒られることもなく、無事に試合を終えてホッとしてます。
Q.バッティングではヒットが1本出ましたね。
松坂:あれも詰まらされてたので自分の中では。ヒットになって嬉しかったんですけど、とにかく今日はいいところに投げられて、あとの打席は手が出なかったですね。
イチロー:大輔さ、松坂投手って可能性ないの?
松坂:いやいやいや(笑)
場内:歓声
松坂:いやいま(イチロー氏が)「マウンド降りるつもりない」って言ってたから結構安心してたんですけど(笑)
イチロー:去年のこの試合のあと、松坂選手「将来ピッチャーとして、もう一度ピッチャーとして、もう一度復帰したいって気持ちが生まれた」って言ってたんですよ。
松坂:はい、言いました。言いましたし、先日もイチローさんと一緒に練習させてもらったんですけど、もう50歳のピッチングには見えなかったですし、投げてる姿に刺激を受けて、また投げたいなと思いましたし。今日いいピッチャーたちと対戦して、ぼくもいいピッチャーだったんだよ、というのを思い出してもらえるように、いつか投げてる姿をもう一度見せられたらと思います。
イチロー:(笑)そのときは僕はショートに回って、もしそれが来年だったら、51歳になってるし、51番つけてやろうかな、その時はね。大輔がもしピッチャーで復帰してくれるっていうなら、51番つけて僕はショートを守りますよ。
(会場拍手)
Q.松坂さん、いかがですか?
松坂:宣言したからには、その言葉に責任を持って準備したいと思います。
イチロー:やった(笑)
Q.イチローが足を痛めながら投げ続ける姿はいかがでしたか?
松坂:グッときましたね。痛めたあと裏で話したんですけど、本当にきつそうだったので、いやこれもしかしたら「投げろ」って言われるかもしれないなってちょっと思ったんですけど。結局最後まで投げ切ったので、その後ろ姿はものすごく頼もしかったです。
Q.東京ドームにはこれだけのファンがつめかけてくれました、来年に向かってメッセージを。
松坂:平日だったんですけど、またこれだけたくさんの方に来て頂いて、やはり緊張感のある中でプレー出来るのっていうのは幸せなことだと思いました。またこの雰囲気を味わいたいので、また来年に向けてしっかり僕もトレーニングをして来年のゲームに向けて頑張っていきたいと思います
Q.最後にイチローさんからもメッセージを
イチロー:(外野席で演奏した)東海大附属高輪台のみなさん、帰っちゃったね、(同じく)習志野高校の皆さんはいらっしゃいますね。ありがとうございました。高校野球ファンにとってはもう夢のような時間です。最高でした。皆さん改めて拍手を!ありがとうございました。
今日、大輔も言ってましたけど平日にもかかわらず、たくさんの方、お集まりいただいてありがとうございます。去年もそうだったんですけど、このゲームはここにいる皆さんで作り上げてくれる、みんなで作ってくれる空気なんですね。今日、それをまた実感してとても幸せな時間でした。僕のチームメイトたち、松坂選手、女子の選手たちもみんな、そういう気持ちになったんじゃないですかね、皆さんありがとうございました。
Q.来年も楽しみにしてます。
なにより高校3年生の将来、まだ野球を続ける女子の選手たちが、その選手たちのためというか、の、モチベーションになるように僕はまた鍛えますし大輔ももちろん、そうしますし、東京ドームでやりたい!東京ドームが大好き。最高でした。ありがとうございます。