政府は経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案を取りまとめました。この中には、一部の地域で展開されているライドシェアを全国で広く利用可能とする方針を盛り込みました。
きょう、総理官邸で行われた経済財政諮問会議では、政府が取り組む「骨太の方針」の原案が示されました。
原案には、現在、一定の条件のもと、一部地域でタクシー会社だけに参入が認められているライドシェアを「全国で広く利用可能とする」方針を盛り込みました。
運行する地域を限定せず、ライドシェアのサービスを全国に展開することで、全国の“移動の足不足”の解消に取り組みたい考えで、「モニタリングを進め、検証を行い、各時点での検証結果の評価を行う」としています。
岸田総理は5月の規制改革推進会議で「できるだけ早期に、その時点での検証結果の評価を行う」よう指示していましたが、「できるだけ早期に」との文言は盛り込まれませんでした。
一方、こうした検証と並行して、海外のウーバーなどIT事業者の参入などを認める「全面解禁」について、「法制度を含めて事業の在り方の議論を進める」するとしています。
岸田総理と斉藤国土交通大臣、河野規制改革担当大臣の間では「法整備の議論は行うが、期限は設けない」ことで合意していますが、こちらも「期限は設けない」ことには触れられておらず、ライドシェア全面解禁の“推進派”と“慎重派”双方に配慮した形となりました。
「全面解禁」の議論をめぐっては、自民党の小泉元環境大臣ら“推進派”が「法整備の議論を行い年内にも結論を出すよう」求めていて、河野デジタル行財政改革担当大臣も“弾込めは今から行っていく必要がある”と、議論に前向きな姿勢を示しています。
これに対し、タクシー業界などは懸念を示してしているほか、斉藤国交大臣も“現段階で法整備の議論は必要ない”との立場を取っていて、政府・与党内で対立が深まっていたため“折衷案”を採用した格好です。