東北新幹線で車両の連結部分が外れるトラブルがありました。緊急停止後の点検では、連結部分や車輪に異常は確認されませんでした。時速315キロで走行していた中で起きた思わぬ事態。一体、何があったのでしょうか?
【写真を見る】「こまちがいない」東北新幹線 時速315キロ走行中に“前代未聞の連結外れ” 異常確認できず…一体何が?【news23】
新幹線の連結外れ「こまちがいない」
前代未聞。新幹線の安全神話が問われる事態が再び起こりました。
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「こまち号がいません」
記者
「東北新幹線の上空です。通常は連結している2台の車両が分離してしまっています」
19日午前8時すぎ、宮城県の古川駅と仙台駅の間を走行していた東北新幹線の「はやぶさ・こまち6号」の車両の連結が外れ分離し、緊急停車しました。
一体、何があったのでしょうか。
午前6時すぎ、秋田駅を7両編成で出発した「こまち」。午前7時すぎに盛岡駅で10両編成の「はやぶさ」と連結し、17両編成で東京方面へ向かいました。
しかし、古川駅から6キロほどの場所で、時速およそ315キロで走行していたところ、突然、連結が外れてしまったのです。車内にいた乗客およそ320人にけがなどはなく、安全が確認されたのち、仙台駅に向かいました。
それぞれの車両に乗っていた人は…
はやぶさの乗客
「普通にゆっくり止まっていったような感じ。まさか連結が外れることがあるのかなと」
こまちの乗客
「危ないので降りないようにという注意のアナウンスがあった。(Q.音とか衝撃は?)全然なかったですよ」
前代未聞の“連結外れ” 専門家は
JR東日本によりますと、走行中の新幹線の連結部分が外れるケースは今回が初めて。緊急停車後の確認で、「はやぶさ」と「こまち」の連結部分や車輪を目視で確認しましたが、異常は確認されなかったといいます。
また、連結部分は本来、時速5キロ以下でなければ外れない仕組みになっていて、仮に外れたとしても自動でブレーキがかかる安全装置がついています。
なぜ「連結」が外れたのか、専門家に聞いてみると…
日本大学 綱島均 特任教授
「電気的な間違った信号が送られて、連結器が開放する動作をしてしまったことが考えられる」
その一方で…
日本大学 綱島均 特任教授
「基本的には運転手が走行中に、操作をすることは考えられない。確信犯的にスイッチを押したとしても、走行中は働かないようにはなってる。なぜ今回そういう分離が起こってしまったのか、非常に疑問である」
JR東日本は、原因の究明を進めるとともに、2つの新幹線を連結させるすべての車両の連結部分を、目視で緊急点検するとしています。