価格の変動が少なく、“物価の優等生”といわれるたまごの価格が高騰しています。背景にあるのは、猛暑の影響によるニワトリの“夏バテ”と、この時期の風物詩となった“月見商戦”です。例年、冬場はクリスマスや鍋などで需要が増える傾向にある卵。今後、価格はどうなっていくのでしょうか。
【写真を見る】“エッグショック”再び…食卓にかかせないたまごの価格が高騰 要因はニワトリの“夏バテ”と“月見商戦”【news23】
再び“エッグショック”?たまごが高騰
ハンバーグと目玉焼きが乗ったオムライスが人気のこちらのお店。心配しているのが、たまごの値上げです。
「肉とたまご」阿部聖 副部長
「8月まで1kgあたり300円台だったが、9月になって400円台に入り、9月のはじめからも、数十円上がっているので今後も心配」
1日に20キロ近くたまごを使うというこちらのお店では、今後、値上げも検討せざるを得ないといいます。
「肉とたまご」阿部聖 副部長
「今後もっとお米やたまご、お肉も含めて全てが上がるようだったら、値上げも考えていく必要がある」
去年発生した“エッグショック”。鳥インフルエンザの影響で1キロあたりの卸売り価格は一時、350円まで上昇。今年1月には180円に下がりましたが、再び価格が徐々に上昇し、9月24日には260円となりました。
こうした状況に、買い物客は…
客(60代)
「100円台だったことが懐かしい。オムレツとかたまごをいっぱい使う料理は減った」
客(30代)
「300円台になると買うのを躊躇います」
店によると、平年より3割ほど高く“異常な高値”だといいます。
「アキダイ」秋葉弘道 社長
「10円・10円以下ぐらいの利益で頑張っている。赤字ですよ。特売日に一気に赤字になって、通常の日はほぼ利益が無い状況」
要因はニワトリの“夏バテ” 月見商戦も影響
価格の変動が少なく“物価の優等生”といわれるたまご。なぜ高騰しているのでしょうか。
「アキダイ」秋葉弘道 社長
「猛暑によってトリが夏バテしてしまった。卵を産む個数も少ないうえ、一個一個のサイズが小さい」
猛暑の影響でニワトリがエサを食べなくなり、産むたまごの数が減ってしまったといいます。さらに、たまごの価格高騰には、この時期の“風物詩”が影響しているという指摘も。
坂本哲志 農林水産大臣
「“月見商戦”などの季節性の需要が高まった。複数の要因が重なったことにより、価格は上昇傾向にある」
秋の風物詩となった「月見商戦」。たまごを使った商品が人気となり、需要が高まったことも要因の一つだということです。
例年、冬場はクリスマスや鍋などで需要が増える傾向にあるたまごですが、日本養鶏協会は、鳥インフルエンザの発生がなければ年明けから下落に向かうとみています。