治安が悪化しているカリブ海の島国ハイチで、着陸しようとしたアメリカの旅客機が銃撃され、客室乗務員1人がけがをしました。
ロイター通信などによりますと、中米ハイチの首都ポルトープランスで11日、アメリカのLCC「スピリット航空」の旅客機が複数の銃撃を受けたということです。
アメリカメディアは、この旅客機には乗客乗員48人が乗っていて、この銃撃により、客室乗務員1人がけがをしたなどと伝えています。
旅客機は、アメリカ南部フロリダ州のフォートローダーデールからポルトープランスに向かっていましたが、着陸を中止し、急遽、隣国ドミニカ共和国の空港に着陸したということです。
ハイチでは、武装したギャングによる支配が拡大し、治安が極度に悪化しています。
ケニア主導の多国籍部隊が治安の回復に当たっていますが、先月も国連世界食糧計画が使用するヘリコプターが首都上空を飛行中に銃撃を受けています。
今回の銃撃を受け、スピリット航空のほか、アメリカの複数の航空会社がハイチと結ぶ発着便の運航の一時停止を決めたということです。
一方、ハイチの暫定大統領評議会は今年6月に就任したばかりのコニーユ暫定首相を解任。11日、後任として実業家のフィゼメ氏が就任しました。
ワシントン・ポストによりますと、評議会と解任されたコニーユ氏の間では、閣僚の交代をめぐり、この数週間、対立が続いていたということで、権力争いが指摘されています。フィゼメ氏は就任演説で治安の回復に最優先で取り組む姿勢を強調しました。