スケートボード・ストリートの世界最高峰ツアー「ストリートリーグ(SLS)」大会が23日に東京・有明アリーナで開催された。
パリオリンピック™で4位入賞を果たした白井空良(23、ムラサキスポーツ)は大会前日、パリ五輪で連覇を果たした堀米雄斗(25、三井住友DSアセットマネジメント)について報道陣から聞かれると「眼中にないです。けちょんけちょんにしてやろうかなと思っています」とリップサービスを披露していた。
迎えた大会当日、白井はその言葉通りの滑りをみせた。1つの技の難度を競う得意のシングルトリック、白井は暫定4位で最後の試技を迎えた。失敗すれば表彰台を逃すプレッシャーのかかる場面で超高難度の大技「キャブ・バックサイドテールスライド・ビッグスピンアウト」を完璧に決め「9クラブ」と呼ばれる9点台の高得点を叩き出した。この結果、土壇場で首位の堀米を逆転し、白井が優勝を決めた。
大会後、前日の堀米への勝利宣言について問われると「絶対みんな使わないと思ったんですよ、もうこの人たち危ないって思ってバカなこというのやめようと思った。勝てたから言えますけど、堀米選手は本当にすごかった。たまたまだと思っていますし、もっともっとこれから頑張らなくてはいけないと思っています」と堀米を称賛し、改めて気を引き締めた。そして「朝7時に起きて9時から練習してもう目が開いてないですけど、今日はいいご飯が食べられたらいいなと思っています」と報道陣を笑わせた。
またパリ五輪後は大会3連勝と勢いに乗る白井。「勝てば勝つほど難しくなってくる。注目度が上がるので、同じ技はやってられないですし、自分も次の段階に行かなくてはいけなくなった。1年前からずっと頑張ってきた技が今やっと報われたっていう感じなんで、これから新しい技を仕込んでいかなくてはいけない。自分にはこの先のきつい道のりが見えているので、優勝してうれしかったですけど頑張らなきゃなって気持ちになった」と白井空良はライバルに勝って兜の緒を締めた。