SNSを使って全国の客に覚醒剤を通信販売していたとみられる新宿・歌舞伎町を拠点とする暴力団の組員らが、関東信越厚生局麻薬取締部と福井県警の合同捜査本部に逮捕されていたことがわかりました。
覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕・起訴されたのは、指定暴力団住吉会系暴力団組員の手良向茂被告(54)です。
厚生労働省・関東信越厚生局麻薬取締部によりますと、手良向被告は今年9月に覚醒剤を所持していた疑いで現行犯逮捕され、その後、会社経営者の40代の男性に覚醒剤1グラムを3万5000円で譲り渡した罪とあわせて起訴されました。
手良向被告は、他の男女とともにSNSで覚醒剤を示す絵文字を使った投稿を掲載するなどして客を集めていました。
こうして集めた客に、新宿・歌舞伎町の拠点にしていたマンションの1室からレターパックで送るなどして覚醒剤を密売していたということです。
手良向被告らは2年間でのべ500人以上から少なくとも7000万円ほどを売り上げていたとみられています。
関東信越厚生局麻薬取締部は、「SNSを使った密売の手口が進化している。暴力団がSNSを駆使して薬物を販売するというのは、いままで見られなかった傾向で、問題だと認識している」としています。
去年4月に関東信越厚生局麻薬取締部にはサイバー捜査課が新設され、インターネット上での薬物取引の監視を強化していて、「今後も集中的に取締りを行っていく」としています。