北欧のバルト海で海底の通信ケーブルが相次いで損傷しているのが見つかった問題で、スウェーデン政府は28日、中国政府に対して関与が疑われている中国船についての調査協力を要請しました。
バルト海では今月17日と18日に、相次いでスウェーデンとリトアニア、そしてドイツとフィンランドを結ぶ海底通信ケーブルに損傷や切断が見つかり、現場付近を航行していたとして中国船籍の貨物船の関与が疑われています。
スウェーデンのクリステション首相は28日、中国政府に対し、船をスウェーデン領海内に移動させて調査に協力させるよう要請しました。
スウェーデン クリステション首相
「この要請により何が起こったのかを正確に突き止めることが極めて重要だ」
ケーブルの損傷をめぐってはドイツのピストリウス国防相が破壊工作の可能性が高いとの見方を示したほか、スウェーデンとフィンランドの当局が捜査を進めています。
一方、スウェーデンからの要請について中国外務省は29日の定例会見で、「中国は関係国と協力し事実を究明したい」と述べ、調査協力に前向きな姿勢を示しました。そのうえで、「現在、中国とスウェーデンは緊密な意思疎通を続けている」と強調しました。