独占【串田アキラ】 急性すい炎から復活 「俺は、歌のために生まれて来たんだから、歌をやらなきゃ」「みんなと一緒に歌いたい」 入院生活・ステージ復帰・ファンへの想いを語る

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-11-30 07:03
独占【串田アキラ】 急性すい炎から復活 「俺は、歌のために生まれて来たんだから、歌をやらなきゃ」「みんなと一緒に歌いたい」 入院生活・ステージ復帰・ファンへの想いを語る

キン肉マンなど、数々のアニメ作品や、特撮ヒーローの主題歌、富士サファリパークのCMソングなどで知られる、歌手の串田アキラさん(78)。
今年1月に体調不良を訴え、「急性すい炎」を発症し救急搬送、その後、半年間の入院生活を経て、10月26日に退院後初のワンマンライブを行いました。

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肉体的にも精神的にも、極限まで追い詰められていた入院生活を振り返りながら、串田アキラさんが、復帰への想いや、今後の夢を語りました。

■1月に救急搬送された当時の病状は?
串田さん:
いきなりね。いつもと違う痛みが来たんです。突き上げるような「なんだこりゃ」っていうような。すぐ救急車を呼んでくれって、(病院に)もう着いたときにはわからなかったです。ストレッチャーか何かでガ~っという振動だけは入ってきたんですけど、それからもう眠りに入っちゃった。

■特にその前兆みたいなものはなかった?
串田さん:
全然なかったです。

ある日、突然、腹部に突き上げるような痛みを感じ、救急搬送された串田さん。
そのまま意識を失い、再び目が覚めた時は、病院のベッドの上だったといいます。

串田さん:
体の中に、ホースっていうか、鼻からです。2本、内臓の方まで入れていて。
しゃべる時もずっと入っているわけですから。気が付いたら、僕がそれを抜いていたらしいんです。

串田さんの命を守るため、串田さんが無意識にチューブを抜いてしまわないように、ベッドに両手を拘束する処置がとられたといいます。
串田さんは、それが「必要な医療行為」だと理解し、納得しながらも、その時の苦しさを振り返りました。

串田さん:
(そうしたら)今度は、ベッドに両手を縛られて。寝るときも。
その苦痛ったら、もう信じられない。拷問みたいな感じ。
でもそれをやらないと、(ホースを)抜いちゃったり、いろんなことをやるらしいんです。
本当に(医師に)「いつ死んでもおかしくない病気だ」って言われて、とにかく、何も考えず「生かすことだけを考えよう」って。
最初は騒いだと思うんですけど、観念しちゃったというか。

■入院中はつらかった?
串田さん:
それはつらかったですね。そういう風にやっていると、考えることがいっぱいあるじゃないですか?
「早く出たい」って、考えれば考えるほど「うゎ~」ってなってくるんです。
「俺は何やってんだろうこんな所で…」っていう。そういうのがすごいつらかったです。

今年1月から始まった、半年間の入院生活。
肉体的にも精神的にも、極限まで追い詰められていた串田さん。
検査と治療が続き、その内の約2か月間は「絶飲食」。
栄養を、点滴やチューブから摂っていたといいます。

■半年間に及ぶ入院生活はどのように過ごしていましたか?
串田さん:
その管から栄養を入れて、あと、腕はずっと針が刺さったまま。
そこから点滴をやるので、もう、体中動かないんです。

■入院中、体重も減りましたか?
串田さん:
多分、67キロぐらいあったんです。それから30キロ落ちたんです。
だから、(体重は)半分なくなっちゃった。だからもう、何着てもダブダブです。

入院中に受けた手術は「4回」。
日に日に落ちていく、体重と体力でしたが、気持ちだけは決して折れませんでした。

■入院中に支えとなったものは何だったのでしょうか?
串田さん:
自分で歌っている歌が、いっぱいあるじゃないですか。前向きな歌が、「倒れたら立ち上がり」とか、「立ちどまるな 弱音をはくな」とか。
そういうのがいっぱいあるんで、その歌を自分でもう一回、「歌い直していこう」と聴いていると、「俺はこれ(歌の)ために生まれて来たんだから、これ(歌を)やらなきゃ」っていうのがあって。
それを考えていて、楽しいからどんどん前向きになって、「よし!じゃあもう何を言われようが、筋トレやっちゃおう!」とか、「よし!これ怒られようが、これやろう」って、そういうのをよくやっていました。

歌詞に込められた「不屈」のメッセージ。
自分の歌で、自分を鼓舞し、病室でも筋トレや歌の練習に励み、決してあきらめない姿を、自身のSNSで発信し続けていました。

■SNSで筋トレや歌の練習を発信し続けた理由は?
串田さん:
やっぱり、一回そういうのを発信して、これは自分のことなんだけど(ファンの)みんなが見てくれて。
「じゃぁ」って、みんなの反応を見て、自分だけでこうやって思っているだけじゃなくて、みんなも引き込むっていうか、それでまた「みんなもやっている」っていうと「よ~し!俺もまたやるよ」って、「いい相乗効果が出れば」と思って。
とにかくただ「思ってるだけじゃダメ」なんで、「何かやろう」と思って。

■ファンの反応は?
串田さん:
もうすごかったですね。(ファンから)「俺も今入院しているんだけど、それやるよ」とか、そういうのがあるから、「じゃあ俺も負けないよ」って

■そこまで強くいられた理由、入院中の「支え」となったものは?
串田さん:
ずっと夢だったんですね。この「音楽を続けていく」っていうのが。
中学生ぐらいのときにバンドをやろうと思って、いろんな人を集めてやりだして、いろんなバイトをやったりなんかして、何とか「やろう」って。
だからその最初を、いつも思い出すんです。
そこまでやって、「好きだから出来たんだよ」って。
何かでぶつかった時に「ああ、もうダメかな…」って思った時に「いや、もっと好きになりゃいいじゃん」って。

■入院中もその夢を持ち続けた?
串田さん:
絶対、「その時やったんだから、できないはずがない」ていうので。
もう1回…同じにまでいかなくても、「まだ歌えるぞ」っていうのを、やっぱり「みんなと一緒に歌いたい」それが一番ですね。
「みんなと一緒に歌いたい」っていうのが。

そして、今年10月。
「みんなで一緒に歌いたい」という想いが届き、串田さんはステージに戻ってきました。
ライブでは「キン肉マン Go Fight!」や「太陽戦隊サンバルカン」「疾風ザブングル」「宇宙刑事ギャバン」など、全10曲を熱唱。
会場は、ファンの熱気に包まれました。

ライブでのMCで、串田さんは、ファンへ…

串田さん【ライブでのMCでの発言】:
(ファンに向かって)ただいま-!!
立っているのが精一杯ぐらいなんですけど、歌えてよかった。
難しい病気だったので、命あるだけでも幸せかなって、(医師の)先生方も「命だけは助けるんだ」って言って必死になってやってくれたそうです。
もう歌うことなんか二の次、全然その時は(歌のことは)考えてなかったって言っていました。一割しか助からない病気って言われていましたから、せっかくもらった命、大切に使っていこうと思います。

そして、ライブ終了後、改めて、串田さんに心境を聞きました

■退院後、初のワンマンライブを終えた心境は?
串田さん:
やっぱり「やってよかった!」っていうのがありますね。
自分では物足りないんですけど、でもファンの皆さんも喜んでくれたんで。
「復活」の第一歩になったかなと思うんですよね。

■ライブを終えて体調は?
串田さん:
今は、全然良いです。
かえって今日やったことで、自分自身も元気が出て来たというか。
やって「疲れた」っていうよりも、やって「良かった」というのがすごくあります。

退院した今、ステージ復帰と共に
串田さんはどうしても「叶えたい夢」があるそうで…

■退院してから、「やりたいこと」は?
串田さん:
やっぱり、この何年も潜ってないので、海。
やっぱり海に潜って、あと仲間を呼んで、バーベキューでもやってというか。
走っていると、いつも海見ていて「あ~」って、東京湾も行くのは近いし、相模湾も近いし、だからそういうのもやってみたいなぁって。

■退院してから、叶った夢は?
串田さん:
ほとんどないのかなぁ。ただ、すごい植物というか、果樹が好きなので、そういうのをこうやって眺めているだけでも良いかな、癒しになったりするかな。

現在の「癒し」についても、朗らかに語ってくれる串田さんですが、今でも、治療は続いています。

■退院後は、どんな治療を行っていますか?
串田さん:
お腹にまだ「管」っていうか、「チューブ」が入っているわけです。
その手術(処置)のために週一回(お腹を)開いて、また縫って。
2日3日動けない状態で、ほとんどゴロッとなってて、できるだけ頭を上げていた方が痛くないんですよね。
寝ているとそれなりに痛くなって、大体1時間おきに痛くなって起きちゃうんです。そのたびに起きてこうやってジーッと…。

■十分に睡眠はとれていないんですか?
串田さん:
睡眠はとれていないです。
でもまあ、トータルして5-6時間あるのかな。でもちゃんと寝ても30分です。一回で。
それが治ったら、もっと吸収も良くなって、太ってくると思うんですけど。

■退院して体重は戻った?
串田さん:
いや、ところがですね、体重自体は、かえって締まっちゃったのかどうか、筋肉にいっているのか、体重は下がっています。
食べるものは、量的にはすごく食べているんですよ。

■食事はどういうものを食べているんですか?
串田さん:
だいたい肉料理と、魚も食べています。あと乳製品とか、プロテイン。
あとカルシウムを気を付けて。
とにかく栄養バランスは「これでもか!」ってくらいやって。

現在、78歳。
身体が厳しい状況でもなお、「不屈」のメッセージを、歌に込め続ける串田アキラさん。
今の「夢」はなんでしょうか?

■今の「夢」は?
串田さん:
どんどんどんどん、これで歌って。
海外は無理ですけど、日本中、皆さん待っていてくれる所、いっぱいあると思うんで、ああいう「わ~っ!」とやってもらうのが大好きなので。
この身体は、年取っても、楽曲は、年取らないんで、「みんなでそれまで一緒に歌っていきましょう」っていう。
それをずっとやっぱり、死ぬまでやりたいな~って。

■串田さんの夢を一緒に叶えていくファンへ、伝えたいこととは?
串田さん:
皆さん、今まで応援ありがとう。
でも、これからもずっとだよ。一緒に歌おうよ。
よろしく勇気!

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