今年7月に行われたパリオリンピック™で2大会連続で団体銅メダルを獲得した卓球女子日本代表。その代表メンバーでもある張本美和(16)が「強くなっている」と語り、平野美宇(24、木下グループ)は「若いし、どんどん成長しているイメージ」と認める選手が、卓球界期待の星・大藤沙月(20)だ。
【写真を見る】卓球パリ五輪代表選手も認める20歳・大藤沙月 今年の国際大会6勝、急成長を遂げた強さの秘密は“スクワット”
今年4月付では世界ランク125位だったが、わずか7か月後の先月11月の時点で世界ランク8位に。世界ランク10位・伊藤美誠(24、スターツ)を抜き、6位・張本美和(16、木下グループ)、5位・早田ひな(24、日本生命)に次ぐ日本勢3番手に浮上した。大藤は「想像していなかった。1年間でここまで来られるとは思ってもいなかった。びっくりしています」と自身の成長に驚きを隠せなかった。
そんな急成長を遂げた彼女の強さには秘密があった。それは“スクワット”だ。「普段のスクワット。片足でスクワット。跳んでから着地してスクワット」。一日に「250回~300回。色んな種類(8種類)でやる」と話す。
元々は守りの選手だった大藤だが、どこかでプレー内容を変えていく必要があると考えていたという。きっかけを掴んだのは今年1月の全日本選手権。平野美宇に0ー4のストレート負けを喫し、踏ん切りがついて決心した。このスクワットの練習を取り入れ「動くと身体がぶれやすいのでしっかり自分の力を出すために、足腰の筋力が必要だ」と気づいたという。
大藤にとって年内最後の試合となった、12月8日(日)に行われたTリーグ。シングルスの対戦相手は日本代表の平野実宇(木下グループ)。自身を認めてくれた選手との世界トップレベルの対決となった。
大藤は平野に前後左右に揺さぶられるも、ぶれない安定したショットでラリー戦を制するなど、スクワットの成果が見られた。しかし、世界の猛者たちと戦い続けている平野も負けじと応戦。力強いラリーとショットを見せ、得点を重ねた。最後まで主導権を握らせなかった平野が3ー0で勝利。敗れた大藤は「どんな選手に対しても、負けない選手になりたいです」と強く意気込んだ。
試合後にスクワットをやるかと聞かれた大藤は「やっぱり今日は負けたので350回くらいはやりたいです」と顔をほころばせた。
■大藤沙月(おおどう・さつき)
2004年5月16日生まれ、20歳。福井県出身。ミキハウス所属。Tリーグは日本ペイントマレッツ所属。フットワークを武器に、台から下げられても強打で攻めるパワー、女子選手特有の速さも兼ね備えるハイブリットな選手。今年国際大会に本格参戦すると世界ランキングは125位から8位まで急上昇し注目された。