千葉県がんセンターで、2021年に食道がんで治療中だった男性がステロイドを投与した際に血糖値が高くなり、多臓器不全で死亡していたことがわかりました。血糖値の測定などが行われていなかった医療ミスが原因だとしています。
千葉県がんセンターは、2021年の6月に食道がんの治療を行っていた当時60代の男性が医療事故により死亡していたことを明らかにしました。
男性は千葉県がんセンターで食道がんの治療を行っていましたが、がんが脳に転移したことからステロイドでの治療を行っていました。その後、脳浮腫が悪化したため、ステロイドを増量しましたが、血糖値が極めて高くなり、「糖尿病性ケトアシドーシス」による多臓器不全で死亡したと考えられるということです。
がんが進行すると血糖値が高くなりやすく、さらにステロイドを投与することでも高くなりやすいことから、通常であれば血糖値の測定をしながらステロイドを投与していくということです。
しかし、当時、血糖値を測定せずにステロイドを投与していたうえ、血糖値を下げる処置をしなかったことで血糖値が極めて高くなり、糖尿病性ケトアシドーシスになったとみられています。
千葉県がんセンターは「脳浮腫の対応に集中して血糖値を測る対応が疎かだったことが問題だった」と医療事故を認め、再発防止策として「ステロイド使用中の定期的な血糖測定の義務化」を行うことなどを挙げています。
千葉県がんセンターと男性の遺族は、すでに和解しているということです。