渾身の一投で奇跡の大逆転!喜び爆発で逆さ吊りの大暴れ 円盤投・ロバート・ハルティング【2009年世界陸上】
超人たちが34年ぶりに東京へ!今年9月に開幕する「東京2025世界陸上」を前に、これまで歴史に名を刻んだ伝説のアスリートたちを紹介します。今回は男子円盤投のロバート・ハルティング(ドイツ、当時24)。自国開催での大逆転劇に、試合後、喜びが大爆発したパフォーマンスに注目です。
ハルティング渾身の一投!ピオトル・マラチョフスキとの金メダル争い
2009年世界陸上ベルリン大会での円盤投。4投目を終え、1位はピオトル・マラチョフスキ(ポーランド)の68m77でした。そのマラチョフスキの5投目。なんと今度は69m15を記録。ガッツポーズを決め、このまま逃げ切るかと思われました。一方、ハルティングはシーズンベスト68m25を記録しましたが、5投目まで終えて2位。ハルティングが逆転優勝するには自己記録を更新する必要がありました。地元の大声援が轟く競技場。何回か小さくうなずきながらサークルに入り、勢いを付けて投げた円盤はなんと69m43を記録。自己ベストも更新して、首位に躍り出たのです。そしてライバル、マラチョフスキの6投目はふるわず、ハルティングの金メダルとなりました。
見事逆転勝利!鳴り止まない歓声と喜び爆発のハルティング
見事、逆転優勝を決めたハルティングの喜びは大爆発!走り出すと観客席の方に向かってユニフォームを引きちぎり、上半身裸になりながら雄叫びを上げていました。さらに喜びが収まらないハルティングの次のターゲットになったのは、なんと大会のマスコットキャラクター・ベルリーノ。祝福で近づいて来たマスコットのベルリーノをなんと逆さ吊りに…。最後はハイタッチと抱擁で喜びを分かち合いました。ハルティングの代名詞ともなったユニフォーム破り。このあと2011年テグ大会、2013年モスクワ大会でも金メダルとなり、ユニフォーム破りも3大会連続となりました。
陸上豆知識 Qそもそも円盤投ってどんなスポーツ?
円盤投の競技の歴史は古く、1896年(明治29年)から始まった近代オリンピックの第1回の競技でも実施されました。円盤の大きさは男子が約22cm、女子が約18cm、重さは男子が2kg、女子が1kgで、直径2.5mのサークルの中で約1回転半して円盤を放ちます。競技者がサークル内から出てしまった場合や、測定エリア外に円盤が出てしまった場合は記録が付きません。
東京2025世界陸上「この選手に注目!~男子円盤投~」
【外国人選手】
◆ミコラス・アレクナ(22、リトアニア)74m35
世界記録保持者 パリ五輪 銀メダリスト
父も五輪と世界陸上で金メダリスト
◆ロジェ・ストナ(25、ジャマイカ)70m00
パリ五輪 男子円盤投 金メダリスト
◆ダニエル・スタール(27、スウェーデン) 71m86
世界陸上ブダペスト 金メダル
→ワイルドカードで東京2025世界陸上への出場権有
※名前の後ろは自己ベスト