「日本はエリートの育成が足りない」男子ラグビー・ジョーンズHCが直々に未来の日本代表を指導

日本ラグビーフットボール協会は将来の日本代表選手を育成するためのプロジェクトとして、「JAPAN TALENT SQUAD プログラム2025」を2月から開始。その公開練習が13日に行われた。
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同プロジェクトは2024年から日本代表のエディー・ジョーンズHCが主体となって始まったもの。S&C(ストレングス&コンディショニング)及び栄養面における年間を通したサポートを行い、日本代表として世界の舞台で活躍するワールドクラスの選手育成を目指す。
昨年は大学生を対象に15人が選出されたが、今年は高校生も対象に加わり50人と大幅に増えた。その中から、コンディションが良好な選手32人が今回の合宿に参加した。
公開練習では若い選手たちに混じって、65歳のジョーンズHCが一緒に走りながら直接指導を行った。選手が良いプレーをしたときは「スバラシー!」と笑顔で褒めるが、少しのミスが出れば「モウイッカイ」とやり直し。合宿に参加した山口匠(明治大2年)は「タフだと聞いていたが噂以上だった。どれだけどん欲にやっても結果に繋がっていなければ何度もやり直しをさせられる。それが大学とナショナルレベルの差なのかと思った」と、感想を口にした。
ジョーンズHCは、強豪国と日本の差は若手の育成にあると警鐘を鳴らした。「日本の高校生のレベルは高いが、次の4年間の育成が日本では不足している。大学では良いレベルの試合をしているがエリートの育成という観点から見ると19歳から22歳の強化がまだまだ足りない」
育成にはハイパフォーマンスなトレーニングと試合が必要と語るジョーンズHC。2月から3月にかけて複数回にわたる合宿を行い、その中からU23日本代表を編成。その後4月1日から16日までオーストラリアへの遠征を行って地元のクラブチームと実戦を積む予定だ。
選出された選手たちにとっては代表HCへアピールできる格好のチャンス。取材に応じた上ノ坊駿介(天理大3年)は「活躍次第では次のワールドカップ代表もエディさんは視野に入れてくれていると思うのでチャレンジの気持ちを持って狙っていきたい」と代表への思いを語った。日本ラグビーをさらに高いレベルへ押し上げる、壮大なプロジェクトが始まった。